memo

 mainに書くかもしれないネタ、日常。
◆no title 


 今授業で源氏物語をやっているのですが、「明石の君」と「明石の姫君」が出てくる度にうああっ、となるのです。先生の訳を聞くと脳内で直衣着て烏帽子かぶった赤司(明石の君)とその娘(明石の姫君)、黄瀬(光源氏)が浮かぶ訳です。黄瀬が光源氏ポジションなのはイケメン繋がり。ということで明石の君&姫君が出るところをパロにして書きたいと思いできた産物です。memoにしては長くて二つに分けました。以下が苦手な方は注意。

*赤司女体化してない
*けど子供いる
*需要なし
*訳と訳じゃないのが混ざった中途半端パロ








 最近空から雪や霰ばかり降ってどうにも気が滅入る。きっと去年ならば雪も霰も風流に感じられたのだろうが、今はただ、胸が締めけられるばかりだ。


「おかあさま、あした、おとうさまがいらっしゃるのですか?」
「ああ。失礼のないようにするんだよ」
「はい!」


 あどけない娘の頬を撫でる。寒いのだろう、雪でできた餅のようだ。女房に羽織りものを持ってくるよう言いつける。
 自分譲りの赤い髪を梳き、父親譲りの黄色い瞳と美貌を見つめる。娘は親の贔屓目なしにしても可愛らしかった。しかし離れ離れになってしまうのだ、辛いことこの上ない。
 屋敷の中で最も外に近い場所で庭を眺める。物思いに沈む赤司の姿は、この上なく高貴な人のように美しかった。
 涙が零れそうだったので瞬きをして雫を瞳に染みこませる。男が泣くだなんてみっともなくて出来ない。娘と別れた後の雪の日はどれだけ不安になるだろう、とため息をついた。


「……雪が深いからこの山奥の道は晴れないな。それでも、絶えることなく手紙を寄越してくれ」


 後ろで控えている乳母に、池に浮かぶ氷を眺めたまま頼む。頼まれた乳母は泣きながら、泣けずにいる赤司を慰めたのだった。

2013/10/24(Thu) 21:46

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