妖怪ヒーローアカデミア

□4話
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ウィスパーのメダルは風とともに吹き飛んでいった。

「な、何!?」

「ウィスパーが飛んでいったニャン…」

『探してくる!』

「待つニャン!」

ウィスパーも飛んでいってしまった為探しに行くことにした。
後ろからジバニャンやお母さん達の声がするが、ウィスパーが心配で聞いていなかった。

「待って!ウィスパーはいいからお母さんのとこに戻ろうよ!」

フゥ2が横まできて私を止めてくる。

『ダメだよ!ウィスパーは弱いんだから!』

「君結構言うねっ!
ウィスパーは不死身だから心配ないよ。」

『そうなの?』

フゥ2の言葉に足を止める。

「妖怪は少しすれば元に戻るから大丈夫だよ。」

『へぇ』

知らなかった。
ウィスパーを探すのを止め、お母さんの所に戻ることにした。

だが、それは出来なかった。

『お母さん達が捕まってる…!』

先ほどの風と音はどうやら"敵(ヴィラン)"が起こしたものだったらしい。

"敵"とは超人世界となった今日で、個性を悪用する者の通称である。それに対し、個性を使って"敵"を取り締まる"ヒーロー"がいる。

"敵"は商店街にいた者達をひとくくりに縄で拘束し、ヒーローに手出しをさせないようにしている。
私は店の陰に隠れながらフゥ2に問う。

『どうしよう!お母さんもお父さんも捕まっちゃったよ!』

「ジバニャンも捕まってるね…。ヒーローも人質がいて手が出せないみたいだ。」

フゥ2は考え込んだ後、ウィスパーを探すように言ってきた。
フゥ2は人には見えないためどうどうと、私はひっそりとウィスパーを探す。

『どうしてウィスパーなの?ヒーローを待ってた方がいいよ。』

「俺たちは普段"敵"に対して何もしない。でもジバニャンが捕まってるんだ。友達は助けなくちゃ!」

友達を助けたい。フゥ2は必死でどうにかしようとした。
だが、フゥ2には取り憑いた相手を普通にすることしか出来なかった。そこで考えた。
数十年前に廃止された"アレ"を使ってどうにか出来ないかと。
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