妖怪ヒーローアカデミア
□9話
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2年生になりお母さんからおつかいを頼まれたので、ウィスパーと近所のスーパーまで買い物行った帰りの事だった。
公園を通ると近道なのでそこを歩いていると、茶色い犬が水筒を持ってくつろいでいた。
「ありゃ、コマじろうじゃないですか。こんな所でピクニックですか?」
「久しぶりズラ!ピクニックじゃなくて兄ちゃんを待ってるズラ。かれこれ3日はここで待ってるんだけど、なかなか来ないズラね〜。
それよりウィスパーの隣にいる女の子は誰ズラ?」
「コマさんはまた迷子になってるんですね…。
そうそう!私の新しいご主人様の霊和ちゃんでうぃす!」
『よろしくね。』
「コマじろうズラ!
この子が妖魔界で噂の女の子ズラね!会ってみたかったズラよ!」
『うわさ?』
「霊和ちゃんはたった一人の妖怪ウォッチを持った存在ですからね!そっちこっちで噂のネタになっていますよ。」
そうだったんだ…。
ウィスパーの言った通りたった一人の妖怪ウォッチ所持者なので噂になっているのは仕方ない。
「兄ちゃんを見掛けたらここにいるって教えてあげてほしいズラ。」
『わかったよ。じゃあバイバイ。』
食べ物を持ったままだったので話を早々に終わらせて帰る事にした。
───────
──
『アレ何だろ…?』
家の近所まで来ると、驚いた事に道端にある水色の45リットルゴミ箱が独りでに動いていた。
「うぃす!?これが所謂ポルターガイストというやつですか!?」
『こっちにくるよ!?』
ガコンガコンと大きな音を立てながら此方に近付いてくる。
周りには誰もいなく、ゴミ箱がロボットなのか妖怪なのかわからない。もしかしたら人間かもしれないがそれはそれで不気味だ。
私はどうして動いているのか気になった。
人間じゃありませんようにと思いながらゴミ箱に近付く。
「霊和ちゃんなんて無謀な事しているんですか!!?ゴミ箱から離れてください!」
『ちょっとフタ開けるだけだから!いいよね?』
ウィスパーは近くの電柱から顔だけ出しながら忠告してくる。
「いやいやいや!いいよね?じゃありやせんよ!?呪われてしまっても知りませんからね!」
『大丈夫だよ。』
根拠なんか全くない。そうでも言わないとウィスパーが納得しないからだ。
開ける時はこう言うんだよね。と思考しながらゴミ箱の横に立ち、蓋に手を伸ばす。
『ご開帳〜。』
「キエェェェェエエ!!」
ウィスパーが奇妙な叫び声を上げているのを聞きながら蓋を開けた。