妖怪ヒーローアカデミア
□13話
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5年生になり高学年になったからと、お母さんから遠出を許された。
それならばとフゥ2がケマモト(毛馬本)村というところに行こうと言うことになった。
電車を長時間掛けて乗り継いで着いた所は小さな町だった。そこからバスで15分ほど掛けて目的の集落へと着いた。
そこは山に隣接した地域で自然が溢れている。
『ついたー!』
「ずっと座りっぱなしで疲れたニャン…。」
「久しぶりにケマモト村に来ましたね。」
「じいちゃんいるかな〜?」
ここケマモト村はフゥ2の人間の時の祖父が住んでいた場所で今は妖怪になってこの村を見守っていると聞いた。
バス停から橋を渡り学校の横を通り、数件の家の横を抜ける。
左右に田んぼ畑が広がった場所に入っていき、森の側の収納庫まで行く。
『ここにフゥ2のおじいちゃんがいるの?』
「ここは通り道。昔建てられて奥に行けないようになっちゃったんだ。」
だからここからは飛んで行くんだと言われ、私はウィスパーに、ジバニャンはフゥ2に乗って先の森の中に行った。
木の上から行くとあっという間で、森の中の空けた場所に小さな家があった。二階はツリーハウスのようで生えた木に展望台がある。すぐ側には小川が流れている。
『わぁ!カッコいい!秘密基地みたいだね!』
「じいちゃんが子供の頃に自分で造ったんだって。」
立派な建物を子供が造ったなんて驚きだ。
鍵のかかっていない家の中に入ると様々な物が置いてあった。特に気になったのが大量にある唐辛子だ。古いみたいでカラカラに乾いてはいるが軽く数千はある。
フゥ2に即されて梯子を登って二階に行く。
「んー、いないなぁ…。何処かに出掛けちゃったのかなぁ。」
「山の方ですかね?」
フゥ2とウィスパーが北の方にある山を見る。山の中にある村なだけあって山が近くに見える。
『ん?』
下からフヨフヨと黒いモノが飛んでくるのが見えた。
「じいちゃん結構マイペースなとこあるからな〜。あっちこっちふらふらしてるか、…っ!?
愛と根性とガッツで世界に蔓延る悪を討つ!無敵王者ガッツ仮面!世界はトモダチ!ゼンブ守るぜ!」
「うぃす?何故フゥ2のお祖父様みたいな事を言っているんですか?うっ…!
てってて〜♪てれれっ!ガッツ!」
『…』
見てて黒いモノがフゥ2とウィスパーに取り憑いているのがわかったが、言っている内容はわからなかった。