妖怪ヒーローアカデミア

□14話
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多分妖怪なのだろう。壁は私の背中を押してトンネルの中に入れようとする。

「え、霊和ちゃん!?」

「何してるニャン!」

「迂闊に入っていいような場所ではありませんよ!?戻ってきてください!」

皆には壁と蛇は見えていないようで、私が勧んで中に入ろうとしているように見えるらしい。
慌ててウィスパーが引っ張ってくるが壁の力の方が強く、徐々にトンネルの中へと入れられる。
ドンッと壁に力強く押され、ついにウィスパー共々トンネルの中に入ってしまった。
フゥ2とジバニャンも慌てて入ってくる。

『う〜痛い…。』

「もう何してるんですか!トンネルの中に入るなんて正気の沙汰じゃありませんよ!?」

「霊和ちゃん大丈夫?」

フゥ2が手を貸してくれて立ち上がる。
急いでトンネルから出ようと振り返った。

『うそ…。』

「あれ!?出口は!?」

「消えてます…。」

「ニャー!一生帰れニャいニャーン!!」

先程までいたはずの場所がなく、いつの間にかトンネルの真ん中まで来てしまったように前後とも出口の光さえも見えなかった。

「…どうします?」

「どうするって、」

『進むしかないと思う。』

「ニャー…。」

トンネルに入ってしまった以上、トンネルに響いている泣いている声の場所に行くしかない。
灯りもないトンネルの中を歩くのは怖いのでジバニャンを抱き締めながら先へと進む。

『ねぇ、あそこに男の人がいない?』

「…いますね。」

暗闇の中、うっすらと見える学生がいる。犬の散歩途中らしく、リードを持っていた。

「助かりました!あの方にどのくらい歩けばいいのか聞きましょう!」

『うん!』

駆け足で男の人に近付く。

『あの!出口は、』

「ちょ、待ってよ!こんなとこに人がいるなんて可笑しいよ!?」

男の人に声を掛けるとフゥ2に止められた。
それで確かに変だと思った。
塞がれていたはずのトンネル内に人がいるなんて可笑しい。もう片方の出口が開いているのだとしても犬の散歩にわざわざトンネルに入って往復して帰るだろうか?
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