妖怪ヒーローアカデミア
□19話
2ページ/4ページ
ポケットからメダルを取り出す。
『私の友達、出てきてダリス。妖怪メダルセット・オン!』
虹色の光が出て、中から浮いたクッションに乗った大きなリスが出てくる。オッサンのようにだらけた格好で寝転がっている。
『ダリス、お願い。あそこにいる"敵"に取り憑いて。』
「え〜。だり〜っス。明日でいいっスか〜?」
「ダメに決まってるでしょう!!!」
「動けニャン!」
「でも〜。面倒っていうか〜、ダルいし〜。」
『お願い。女の人を助けたいの!』
「ん〜…じゃあ、霊和の膝枕で手を打つっスよ〜?」
「ニ゙ャっ!?良いわけニャいニャンよ!!そんな羨ましい事させニャいニャン!」
『うん!いいよ。』
「ニャっ?!」
ウィスパーとフゥ2が呆れた顔でジバニャンを見ている。
オッケ〜とダリスは"敵"に近付いて行き、紫色の煙を出して立て籠りをしていた"敵"に取り憑いた。
"敵"は拘束していた人質を離し、やる気を失った顔をしてベランダに寝転がった。
『ウィスパー、フゥ2、女の人をお願い。』
「うぃす!」
「了解!」
二人は女性の下まで行き、二人がかりで女性を持ち上げて道路に降ろした。
妖怪が見えていない周りは"敵"と女性の奇妙な行動に驚いていた。
ウィスパー達は早急に戻ってきて、人質が保護され"敵"が確保された処を私達と一緒に見守る。
「今日も犠牲者なく終わったね。」
「いや〜、私達の迅速な行動のお蔭ですね!ヒーローよりヒーローらしい!」
『皆ありがとうね。』
イエーイと皆でハイタッチする。
周りが落ち着くまで庭にいて、暫くしてバレないように人様の家の庭から出た。
『家に帰る前に駄菓子屋よっていい?お菓子買いたくなっちゃった。』
「いいですけど余り無駄遣いしないでくださいよ。」
「オレっちチョコボー欲しいニャン。」
ダリスに一旦帰って貰ってあとでまた喚ぶことにした。
すると後方から声を掛けられた。
「そこの君、」
『?』
振り向くと暗そうな顔をした無精髭が生えた男性と、いつか会った鼠がいた。
『あ!ねずみさんの根津だ!久しぶりだね!』
「?
何処かで会った事があったかな?」
どうやら私の事を忘れてしまったようだ。
数年前迷っていた根津を駅まで送ったと言ったら思い出してくれた。数年前に会ってから成長してしまったせいで分からなかったみたいだ。