妖怪ヒーローアカデミア

□22話
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私は急いで朝食を食べてかっちゃんの家に行った。
"敵"に捕まり怪我はないか心配だった。

インターホンを鳴らしかっちゃんが出てくるのを待つ。
玄関の扉が開くと、いつも通り気だるそうに出てくるかっちゃん。

「おい、朝っぱらにチャイム鳴らすな。ババァが起きる。」

『かっちゃん"敵"に捕まったってニュースで見たの!どこも怪我ない!?大丈夫なの!?』

かっちゃんの頭から足まで見て背中も確認する。

「服捲んな!!
それから怪我もねーし、あんなん何ともねーよ!」

盛大に舌打ちをして乱れた服を直す。

「いいか?これ以上昨日の話はすんな!」

"敵"に捕まったことが原因なのかイライラが治まらないようで、いつもより荒々しく先に行ってしまった。

急いでかっちゃんのあとを追ってランニングを始める。

「それにしてもあーた、昨日は何故通りに?あそこはショッピング街じゃないですか。」

『あ、そう言えば…。
かっちゃん何であそこにいたの?』

「話すんなっつっただろカスがァ!!」

いっくんと合流するまで質問攻めしたのだが、結局ことごとく回避されて真相は掴めなかった。




─────



いっくんとも合流してランニングをした後、公園のトイレでランニングシャツから制服に着替えて学校に向かっている時だった。

「──明日から一緒にランニング出来ないんだ…。」

沈んだ声でいっくんは言った。

「何て言うのかな?師匠みたいな人が、僕に稽古をつけてくれることになったんだ。」

『お師匠さんが出来たの!?おぉ!!』

師匠という言葉の響きに感動して思わず拍手をしてしまう。

「うん。
学校以外のほとんどの時間を取られちゃうから、本当は凄く、すっごく嫌なんだけど、泣く泣く一緒には走れなくなるんだ。」

「2回言いましたね。」

『そっかぁ…。少し寂しいなぁ。』

もう何年も一緒に走ってきたので寂しく思うが、これもいっくんの為だ。

「へっ。ザマァ。」

「…かっちゃんこそ二人きりだからって霊和ちゃん苛めないでよ。」

「てめぇには関係ねーだろぉ。」

どうしてだかいっくんとかっちゃんの間に火花が散った気がした。




H30.04.23
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