妖怪ヒーローアカデミア
□28話
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「下心なんてねーよ!
ただ本物の妖怪とやらを見てみたいなーなんて思っただけだ!
女の子と手を繋ぐシチュエーションは憧れるけど…。」
「オイラも下心なんてない!!
女の子と手を繋ぎたいだけだ!!」
「こいつら…。」
響香ちゃんが呆れた顔で二人を見て、百ちゃんと三奈ちゃんが私と二人の間に入る。
「霊和ちゃんに近付くな!こんな無垢な子まで汚す気か!!」
「そうですわ。
離れてください。」
『んー、でもこれから一緒に戦うなら手を繋ぐくらい慣れて貰わないと…。』
戦う上では意志疎通するために見えていた方がいい。
作戦を考えたりするのにも私を介してじゃ時間が掛かってしまう。
「んー…霊和がいいなら止めないけど…。
でも男子には気をつけなよ。」
『う?うん。』
たぶん殴られないようにしろと言うことだろう。
じゃあ、と言うことで二人の前に手を出す。
「失礼しまー…──ドゴンッッ!!!!
上鳴くんと手を握ろうと思ったら大きな音がして皆してそちらを見る。
かっちゃんが机を荒々しく蹴っていた。
かっちゃんはカバンを持って皆の横を通る。
「反省会しねーのか?」
「…。」
切島くんの質問には答えず教室の扉を開ける。
『えっ。かっちゃん、もう高校生になったから帰りのランニングしないの?』
中学では何か用がない限り毎日ランニングをして帰っていた。
「…今日はしねぇ。」
かっちゃんはそれだけ言って教室を出て行ってしまった。
どうして一人で帰ってしまったんだろう…。
動けずどうすればいいか悩んだ。
『かっちゃん…。』
「んだよー、つれねぇなー。」
「まぁまぁ。爆豪も疲れてんだろ。」
私は自分の席に戻り、急いで帰る支度をした。
「あら。霊和ちゃんも帰るのね。」
『うん!
かっちゃん追い掛ける!』
リュックを背負い教室を出ようとすると、ちょうどいっくんとフゥ2が戻ってきた。
『もう怪我治ったんだね。』
「うん。」
『良かった…。
フゥ2もおかえり。』
「え、あ…うん。」
言葉が詰まるフゥ2に不思議に思うと、いっくんがフゥ2がいたの!?と驚いてくる。