妖怪ヒーローアカデミア

□33話
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私は"敵"達に見えない位置に隠れ、ジバニャンを乗せたウィスパーがその中心地点に行く。

ジバニャンは落下の勢いに力を加えて上鳴くんを捕まえている"敵"を殴る。

油断していたのか"敵"は上鳴くんを手離し床に倒れる。
騒然とした隙にウィスパーが上鳴くんを担ぎ上げて空中に避難する。
百ちゃんは急速な変化に戸惑いを隠せなかったが機敏に動き、個性の創造で地引き網のような物を作り出して"敵"を一網打尽させた。

『百ちゃん俊敏な対応ありがとー!』

「やはり妖見さんだったのですね!」

見えない攻撃だったので初めは透ちゃんだと思ったが、空中に連れて行かれる上鳴くんを見て私だと分かったらしい。

「妖見さんはお怪我はありませんか?」

『私は平気だよ。同じ場所に飛ばされた轟くんが直ぐに倒してくれたし、その後セントラル広場に向かったから相澤先生の援護してくれるはず。
あと常闇くんと口田くんにも会ったけど大丈夫だったよ。』

フヨフヨとウィスパーが上鳴くんを降ろしてくる。

「男の子って重たいんですね…。」

床に伏せたウィスパーが息を切らしながら愚痴を言う。

『ウィスパーありがとうね。
あとジバニャンも…、あれ?』

ジバニャンを探すが見つからない。
どこからか助けてニャーン!という声が聞こえて探すと地引き網に捕まったジバニャンがいた。

『百ちゃん、この縄って切れないよね?』

「えぇ!鋼で出来た特殊な縄で出来ていますので並大抵の刃物では切れませんわ!」

ジバニャンも一緒に捕まっていることを説明すると、百ちゃんは顔を青ざめてあたふたする。

「どどどうしましょう!網を消してしまったら"敵"を逃がしてしまいますし、かといって猫ちゃんが苦しい思いをなさってるなんてっ!」

「んー…、確か召喚ってーの出来るんだよね?
ならやってみれば?」

響香ちゃんが提案してくるが、飛ばされる前にうんがい鏡を召喚しようとしたが出来なかった。
ジバニャンを召喚しても通信が途切れるので喚べないのではないだろうか。

「通信が遮断されてるっつってもそれはUSJの全てじゃないんだと思う。
ここ(USJ)と外(USJ以外)を遮断するように膜が張ってあるんじゃないかと思うんだ。
だからこの中で短距離なら通信出来んじゃないか?」
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