妖怪ヒーローアカデミア

□42話
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飯田くん達の試合は、他の組の試合と違って十分にも及んだ。



そして、

<<野郎共!この試合は見物だぜ!!一回戦唯一の女子同士の対決!>>

私と三奈ちゃんはステージ上に向かい合う。

<<個性わかんねー!ヒーロー科1のド天然!
ヒーロー科妖見霊和!

vs!

あの角からなんかでんの!ねぇなんかでんの!?
ヒーロー科芦戸三奈!>>

<<妖見は個性の都合上ヒーロー科だがアイテムを使用している。>>

妖怪ウォッチを使うので他の生徒からクレームが来ないよう、相澤先生がフォローしてくれた。


「スタートォオ!!!」

「触れたら溶けちゃうよ!危ないから降参しなよ!」

予想通り三奈ちゃんは開始早々個性を使ってきた。
酸を広範囲に飛ばしてくる。

私達が浮いて避けるとズルい!と言われた。

「ステージ立てなくした人が言う言葉じゃないんだけど!」

セメントス先生が作ったステージは酸でボロボロになってしまっている。綺麗なのは三奈ちゃんの周りだけだ。

『ジバニャン百烈肉球お願い!』

「ニャーンッ!!」

フゥ2の背中に乗っていたジバニャンは飛び降りて三奈ちゃんを殴ろうとする。

「見えない相手に戦うのは無謀だってわかってる!
でも絶対負けるなんて事はないっしょ!!」

三奈ちゃんはジバニャンを寄せ付けないように酸を散らばく。
危ないと判断したフゥ2がジバニャンを回収した。

「近づかせない気ですね。」

『それなら……
私の友達、出てきて天狗!妖怪メダルセット・オン!』

光の中から和服に丈の長い下駄、白髪に赤い顔で鼻の長い天狗が出てくる。
だが私がいたのは空中だったので、天狗も空中に出てきてしまい地面に落ちる。

『あ、ごめんね。』

「もう!キュウビにおでんタカられるは頭にコブ出来るわで散々じゃ!」

「賭けをしていた残りの一人は天狗なんですね…。」

不機嫌な天狗に、今度お菓子あげるからと言ったら機嫌が直った。
ウィスパーが単純ですね〜。と呆れていていると、バランスを崩して落ちそうになった。

「余所見なんてさせないんだから!」

「うぃすっ!?」
『うわっ!?』

慌てて避ける。

『天狗!三奈ちゃんを場外へ吹き飛ばして!』

「承知!」

天狗は持っていた大きくて先の裂けたヤツデの葉を大きく振りかぶる。

「うちわ大旋風!!」

ブオオォォォォ!!と激しい風が起こり崩れたコンクリートが宙を舞う。
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