妖怪ヒーローアカデミア
□43話
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『天狗、ジバニャンお疲れ様!』
二人とハイタッチして、天狗はまた喚んでくれいな。と言って消えた。
ムリカベも消えて試合も終わった事だしA組の観客席に戻ることにした。
「まずは一回戦勝利!
私達の力になすがままでしたね〜。」
「ウィスパー何もしてないじゃん。」
「寝言は寝て言えニャン。」
また喧嘩に発展しそうなのでウィスパーを抱き上げて止めた。
「もう霊和ちゃんはウィスパーに甘いんだからー。」
『フゥ2も抱っこしてほしかった?』
「違うから。
ウィスパーなんか無視すればいいのに…。」
「オレっちは抱っこして欲しいニャン!」
せがんでくるジバニャンも抱き上げると、重さはそんなに感じないのだが目の前が全く見えない。
「…ジバニャンにも甘い。」
ぶっすー...と頬を膨らませるフゥ2。
「試合の最後、ムリカベ出して芦戸さんの事庇ったでしょ。」
「そうですよ!
あれ何気に5枚目のメダル、ムリカベの登場だったのにあっさり終わりましたね。
他の妖怪みたいにもっと活躍させた登場してほしかったです!」
「登場の仕方は別にいいんだよ。」
『6枚目もばくそくだから派手には無理だなぁ。』
「ネタバレ!」
誰に?と言いたかったが、フゥ2が敵にまで甘いんだから。と叱られたので謝った。
「それに勝己と戦うためにこっちの情報は隠して置かなきゃでしょ。」
『でも"あの"作戦で足りるんじゃないかな?』
「勝己に6体までって教えたでしょ。その中から予測されたら困る。」
されないように作戦会議をしたのだから平気だよ。とフゥ2を説得させる。
でもーと言ってくるフゥ2に苦笑しながら長い廊下を歩いていると、前方から見知った人(妖怪)が近付いてくるのがジバニャンとウィスパーの隙間から見えた。
辺りを忙しなく見回すのを見て、ジバニャンとウィスパーを下ろして駆け寄る。
『聖オカンどうしたの?』
聖オカンは、雲に乗ったお団子髪のお母さんくらいの年齢の人(妖怪)だ。
「それがね〜、近所の子供達と来てたんだけどりゅーくんがいなくなっちゃったのよ。
探してるのだけど見当たらなくてね〜…。」
『会場広いからりゅーくん迷子になっちゃったんだね。』
耳を澄ませるとマイク先生の灼熱させる実況と歓声が聞こえる。