妖怪ヒーローアカデミア
□43話
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『まだ時間はあるはず…。
一人じゃこの会場探しきれないから私も探すよ!』
「うぃす!?」
ウィスパーは驚き、フゥ2はまたか。って呆れている。
でも困っている妖怪がいるなら助けなきゃ!
「ありがと!ほんと霊和ちゃんは出来た子ねぇ。ウチの子もこのくらいしっかりして欲しいわ!
全く、ウチのはいつまでも父ちゃんの真似ばっかしているんだから嫌になっちゃうわ!」
アハハ…と苦笑して聖オカンと別れて探すことにした。
聖オカンは観客席の方を、私達は会場の中を調べる。見付かったら、観客席にいる子供を沢山連れた雷オトンの所に行けばいいらしい。
「りゅーくんですか…。
子供なので自由奔放で何処にいるのやら。」
「ジバニャン匂いで見付けたり出来ない?」
「犬じゃニャいから出来るわけニャいニャン!」
長い廊下を歩きりゅーくんがいないか探す。
りゅーくんが変な所に入ったりしてないか見なくてはいけないので探すのに時間が掛かる。
「いませんねー。」
「観客席の方にもいないのかなぁ。」
フゥ2がタブレット端末を操作するが音沙汰ない。
『反対側の控え室まで行こっか。』
ガチバトルで私が出た門とは逆の方まで行くことにした。
会場は円状に出来ているために、反対側に行くには回らなくてはならない。
また歓声と拍手が聞こえる。
「次は勝己か…。」
『あっ。』
かっちゃんとお茶子ちゃんの対戦。A組の皆はこの二人の対戦を一番に見たいくらい期待と不安を抱いている。
勿論私も見たい。
だが今はりゅーくんを探さなければならないと思っている。
『…私はりゅーくんを探す。
皆はかっちゃんの試合を観てきていいよ。』
「え、でも…。」
「霊和ちゃんならそう言うと思った。
だからこそ俺も一緒に探すよ。」
霊和ちゃんを1人には出来ないしね!と片目を瞑る。
「わ、私も探しますよー。」
「カツキの見てたって仕方ニャいニャン。オレっちもついて行くニャン。」
「てことで、ウィスパーは勝己の撮影してきてね。」
「うぃす!?」
フゥ2はカメラをウィスパーに渡して背中を押す。
「迫力のある撮影してきてよ。ちゃんと動画でね。」
そんなぁ!と言いながらもウィスパーは録るために行った。