妖怪ヒーローアカデミア2

□51話
2ページ/3ページ


『今日からお世話になる妖見霊和です。よろしくお願いいたします!』

サメの頭をした人は手を止め此方を見てくる。

「ああ、聞いているよ。
アンタを呼んだ奴らはまだ来ていないがね。
全く、呼び出しておいて本人が遅刻とはどういう神経しているんだろうねぇ。」

私を呼んだ人とは、代表に書いてあったスカイシャリマンサキちゃんという人のことだろう。
そうするとこの人はなんなのだろう?

『あの、アナタはスカイシャリマンサキちゃんではないんですか?』

「私ァこの店の持ち主だよ。奴らがアンタとどうしても逢いたいって言うからその繋ぎ役になってやったのさ。
許可取るのにも苦労したわい。」

許可?
どういう事か聞こうとしたが、サメの頭をした人が私の左腕を指差す。

「久しぶりに妖怪ウォッチの調整をしてみたいんだが、アンタの妖怪ウォッチを見せてはくれんかね?」

『これの…?』

妖怪ウォッチを他人に渡してはいけないと言われている。
だから断ろうとしたが、フゥ2にこのおじいさんなら大丈夫だよ。と言われた。

「このおじいさんは、俺が人間だった時に妖怪ウォッチを強化してくれてたんだ。
変な人だけど腕は確かだよ。」

「変な人は余計だわい。」

おじいさんと言われたサメの頭をした人はフゥ2を睨んで手を出してくる。

「何年も使っているだろうから直してやるだけじゃ。ほれ早くせんか。」

急かしてくるサメの頭をした人に、私はフゥ2とウィスパーを見てから妖怪ウォッチを渡した。

サメの頭をした人は作業台に向かい、私達は暇になったのでソファーに座って待つことにした。

『ねぇ、あの人っておじいさんっていうほど歳取ってるの?』

「ん?まぁ俺が人間の子供の頃から…いや、じいちゃんが子供の頃からチョーシ堂で働いてるから軽く200年は時計弄りしてるな〜。」

『へぇ…。眉毛と髭は白いけど、顔はサメだからわかんなかった。』

「は…?」

『ん?』

小さな声量で喋っていたのだが、思わず大きな声がフゥ2の口から洩れた。

「あの人の事サメに見えんの!?」

『うん。』

フゥ2はサメの頭をした人と私を何度も見比べて、そっかそっかと頷く。

「人間に化けた妖怪の姿が見えない霊和ちゃんには本来の姿が見えるんだったね。
そっか…おじいさんの正体はサメだったんだ。サメなら多分ヨップル社の社員だ。」

またそっかそっかぁと頷くフゥ2。難しい問題が解けた時みたいに爽快な笑みを浮かべていた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ