妖怪ヒーローアカデミア2
□52話
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「霊和ちゃんから人間の気がしないのよ。」
『え…、』
「ええぇぇぇ!」
「ニャニッ!?」
「何ですとー!!?」
私は人じゃなかったのか…。いつの間にか死んでたのかな?
「あら、言い方間違えたわ。
霊和ちゃんから人間の気が覆われる程の妖気が感じられるの。」
肩を竦めて笑うサキちゃんは、見た目通り小悪魔みたいだ。
「いやいや霊和ちゃんから妖気を感じる時点でおかしくない!?」
『私人間じゃなくて妖怪だったんだ…。』
じゃあお母さんとお父さんは私のお母さんとお父さんじゃなくなっちゃうの?
「人間よ。ただ、妖気を纏った"特殊"なね。」
バニー・ミントと会った時もフユニャンと会った時も周りには沢山妖怪がいた。
だから人間の気も感じられなかったと思っていたが、フユニャンがデカニャンになる現象が起きて違うんじゃないのかと考えられた。
「私が考えたのは貴女が周りの妖怪の妖気を自身の身体に溜めてしまう体質。もう一つが貴女自身が妖気を作り出す体質。
体育祭以降でSランクの妖怪や沢山の妖怪に会ったかしら?」
体育祭以降で妖怪を喚び出したのはヒーロー基礎学の授業だけだった。
『10体くらいかなぁ。
でも体育祭で疲れてるだろうかなってSランクの妖怪は喚び出さなかったよ。』
「フユニャンに妖気を吸いとられたのに、この短期間で溢れる程妖気があるってことは自身で妖気を作り出してるってことね。」
私は胸に手を当てる。妖怪の生命線となる妖気が私から作られているとは不思議な気分だ。
「俺達だって妖怪なのに全然気付かなかった…。」
「小さい頃は少ない妖気だったんじゃないかな?それで成長するうちに馴れたからわからなかったのかもね?
ボクの時は君達がいたし、妖怪ウォッチを付けていたから人間だって分かったのさ。」
「俺も妖怪に囲まれているが学校の服を着ていたからわかったんだ!」
顔は妖怪達に出回っていないらしいから顔で判断されることはない。いつも私から話し掛けて妖怪ウォッチを見られて私だと判断されていたので、"気"というものが重要視されていなかったのも問題かもしれないと言われた。
「でもよかったわー。
アレ作ってもらっちゃったから無駄にならずにすみそうね!」
『アレ?』
「今手持ちにはないの。
だから私達と妖魔界に行きましょ!」
『!』
妖魔界に!?