妖怪ヒーローアカデミア2
□53話
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合体ウォッチは名前がダサいからという理由で"妖怪ウォッチC"と呼ぶことになった。
『他の妖怪とも試してみたいなぁ。』
「コマさんとかどう?」
「私はもう終わりですか!?」
もっと合体していたいというウィスパーは放置して、妖怪図鑑からコマさんのメダルを取り出す。
『私の友達、力を貸してコマさん!妖怪メダル、セット・オン!』
紫色の靄が出て変身したので鏡を見てみる。
頭から垂れぎみな犬の耳が生えて、髪型が三編みのツインテールになっている。服装は白い7分丈のワンピースにウエストで巻かれた水色の帯、肩には渦巻き模様の風呂敷を背負っている。
『あれ、余りヒーローっぽくないな。』
『「もんげー!オラ霊和ちゃんになっちゃってるズラー!」』
「霊和ちゃん、口を動かされないように制御しなよ…。」
周りから見てても1人の身体から2つの声が出てるのは違和感しかなく、慣れそうにないみたいだ。
「どうやらコマさんも使えそうにありませんね〜。」
「ヒラヒラなスカートじゃパンチラするニャン。」
パンチラは下に履いてるから大丈夫だと思うが、七分丈もあったら動き回るには少々邪魔になる。
だからってコマさんの取り憑きも使えそうにないし、お蔵入りか…?と思っていながらふと風呂敷に手に触れると、直感的に頭に浮かんでくるものがあった。
もしかして、と風呂敷に目をやり、適当に物を思い浮かべる。
『飲み水が欲しいな。』
何となく呟いただけだった。
なのに急に風呂敷に重みを感じた。
結んである風呂敷をほどくと中にはペットボトルの水が入っていた。
「ええぇぇえ!!
どういうこと!?」
「マジックですか!?」
「ありえニャいニャン!」
「どうやらコマさんとの必殺技は物の生成みたいね…。」
サキちゃんが考えるには、合体することで必殺技が変わるのかもしれないとのこと。
ジバニャンとは変わらなかったのに、コマさんとだと変わるのは不思議だ。
「どんな物でも出せるのか調べさせて貰ってもいいかしら?」
断る理由もないので頷く。
風呂敷を首に巻き直し、出してみたいものを出してね。と言われて私の好きなパンを念じる。
風呂敷に少しの重みを感じて開くと、食パンがそのまま中に入っていた。
「食べ物も出せるみたいだね!」
「直に入ってますね…。
風呂敷が汚いとかはないでしょうが、袋も思い浮かんでみては?」
「思うとこそこニャン?」