妖怪ヒーローアカデミア2
□57話
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気が付くと知らないベッドに寝ていた。
『……(どこだろ)。』
白を基調とした室内に、デジャブを感じる。
身体が痛いし強ばっているしで身体を動かすのが億劫だ。
「やっと起きたニャン!霊和ちゃん大丈夫ニャーン?!」
ジバニャンが泣きじゃくりながら抱き着いてくる。
フゥ2とウィスパー、フユニャンも心配そうな顔をして顔を覗き込んでいる。
「気が付いてよかった!まだ安静だよ?」
「おはようございます。随分と起きないので皆心配してますよ!」
『心配させちゃったんだね……。
今回はどのくらい寝てた?』
「2日間ニャン!前より倍も長いニャン!」
『そ、そう。』
「妖怪ウォッチCの副作用が強いらしく君の身体に負担をかけてしまったな…。
やはり妖怪ウォッチCは改良が必要だな。」
もっと長い時間寝ていたのではないかと思ったがそこまでではなかったのに安堵した。
フゥ2が私の頭の辺りでゴソゴソして一分もしない内に清楚な服を着た女の人と、白衣を着た男の人が入ってきた。そこで此処は病院なんだと察した。
簡単に検査をして、特に問題がないと判断された。
「君が此処に着た経緯は警察の方が説明してくれるとして、運ばれた時には背中側の肋骨に数ヶ所のヒビがあったから治療したよ。それと少々栄養失調になっていたから点滴もね。」
『ヒビ!?』
いつそんな怪我をしたのかと疑問に思ってしまうほどヒーロー殺しとの戦いで痛みを感じていなかった。
背中ということは壁に叩き付けられた時なのかもしれないという想定しかつけられない。
栄養失調なのはこの職場体験中にパンしか食べていないからだろう。
医者の話が終わり部屋を出ていったので、私は起き上がって近くに置いてあった靴を履く。
「ちょちょっ!暫くは安静にしていないとでしょう!」
「動いちゃダメだよ!寝ていないと!」
『でもいっくん達が心配だから。見に行くだけだよ。』
身体に付けられたギプスのせいで動きにくい。
壁伝いに歩いていると呆れながらもウィスパーが支えてくれた。
「仕方ないなぁ…。フユニャン、霊和ちゃんに取り憑いてくれる?」
「ああ。」
フユニャンに取り憑かれると、身体が軽くなった。
『って、浮いてる!?』
ウィスパーに持ち上げられてるわけではないのに足が床から離れていた。