妖怪ヒーローアカデミア2

□58話
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病院の会議室なのか広い部屋に通され、フユニャンと署長さんのお話があった。
私は居たたまれない気持ちで繋ぎ役をしていた。

「──…というわけでよろしいですね。」

「ああ。構わない。」

私の責任者であるフユニャンの処罰が保須市警察署署長さんから言い渡される。

話を聞いていたが、妖怪ヒーロー協会の情報が違う形で人間側に伝わっていた。というか架空のヒーロー事務所が妖怪ヒーロー協会によって作られていた。

そういえば情報操作の出来る妖怪がいたっけな〜と思い出し、改めて妖怪は何でもアリなんだと認識する。


話は十数分で終わり部屋を出ると、フユニャンが忘れ物をしたと中に戻ったりもしたが私は病室に戻った。

『速くギプス取りたいなぁ…。』

「退院すればキズナースが治してくれるよ。」

入院している最中に怪我がいきなり治ったら病院側に私に治癒の個性があるんじゃないかと驚かれるからやらない。
退院してしまえばリカバリーガールに治して貰ったとでも言えば疑われないだろう。


フユニャンが戻ってきて、そういえばとお父さんがいつの間にかいなくなっているのに気付いた。

『お父さんは?署長さんと話している時はいたよね?』

「途中で出て行きましたよ。」

ウィスパーが見るには、携帯を持って出て行ったので連絡が来たらしい。

『そっか…。
ねぇ、皆はヒーロー殺しの背中にいた人型は見えなかったんだよね?』

「え?何かいたの!?」

「何も見えなかったが…。」

やはりヒーロー殺しの背中にいた黒い物体は悪霊だったのだ。

「体育祭の時に怪魔が増えた原因としてヒーロー殺しが話に出ていたな。」

『うん。ヒーロー殺しの行動によって怪魔が発生してるんだと思ったけど、実際は悪霊しか付いてなかった…。』

「怪魔の気配もなかった。悪霊が怪魔を生み出している可能性がないわけではないが、彼処(現場)に怪魔がいない所を見るとヒーロー殺しが原因ではないな。」

「同時に起きていた脳無の方も気になるよね。」

脳無の方はデビビルに任せていっくんの方に向かってしまったので、脳無の周りに怪魔がいたか確認出来ていない。

「てか、そう!
デビビル途中で帰っちゃったみたいで大変だったんだから!」

フゥ2に私が倒れた後の事を教えて貰った。
道路に出たところ、脳無が上空から現れていっくんと私を連れ去ろうとした。それを意識が一時的に戻ったヒーロー殺しに助けられたのだ。

『そうだったんだ。
ヒーロー殺しって不思議な人だね。』

「強い信念を持ってたね。
でも道を間違えた。世間に訴えるために人を殺すなんてあってはならない事だよ。」
飯田くんの話と今の話を合わせて考えるとヒーロー殺しの思惑がわかった。

"ヒーロー"というものを正す為に行動した結果が、ヒーローを殺して自分の考えを世間に訴えること。

フゥ2の言う通りだと私も思う。
それと同時に道が違えば立派なヒーローになっていたんじゃないか。そう思うのだった。
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