妖怪ヒーローアカデミア2
□59話
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中間テストが終わった頃、根津からお呼び出しを貰った。
以前話していた怪我人を治すためだ。
いつ来ても校長室は緊張するなぁと思いながら入ると根津の隣に座らされた。
「少し遅れるそうなんだ。
それまでお茶をどうぞ。」
お茶といいつつ前回通りオレンジジュースをジバニャン達にも配る。
「ありがとニャン!チョコボーあるニャン?」
「あーたね…。図々しいにも程がありますよ。」
「ジバニャンくんの為に用意してあるよー。
ウィスパーくんはどら焼きでいいかな?」
「私の口ですか?私の口がどら焼きみたいって事ですか?」
そんな事ないからね。自意識過剰だよ。
カップに角砂糖を入れてティースプーンでかき混ぜると根津は口を開く。
「──…そうそう面構くんから聞いたよ。
職場体験の時は"無茶"したみたいだね。」
『ゔっ、』
根津の言葉に思わず肩を揺らす。
多分言われるんだろうなと察していたがいざ言われると返す言葉もない。
『無茶ってほどじゃ…、』
「肋骨にヒビなんて無茶しなければ普通ならないんじゃないかな?」
高校に入る前に、"ヒーローになるまでは無茶しない"と約束していたのに約束を破ってしまった事で相当お怒りのようだ。
ごめんなさい…。と謝ると根津はため息を吐いて、想定内だったと教えてくれた。
「君は妖怪に指示するだけだと思っていた。けど入試や体育祭を見て君自身が闘えると知ったよ。
君の戦闘は個性ではなく借り物だから法的にも問題はない。だからいつかこうなるんじゃないかとさ。」
約束して半年もしないうちに破るとは思わなかったけどね。と肩を竦める。
お父さんにもいつかやらかすなんて言われたし、そんなに単純かなぁ?と呟いたら全員に頷かれた。
ヒーロー殺しに妖怪が取り憑けばよかったんじゃない?と聞かれたが、あの時は私自身浮かれてた。
新しいオモチャを使いたくなる子供みたいだと自分でも呆れてしまったが、戦闘中フゥ2にヒーロー殺しに取り憑いてもらうようにしていたがヒーロー殺しが速すぎて取り憑けなかったから。だから他の妖怪でも無理だっただろう。
『変身もジバニャンじゃなくて他の妖怪だったら結果が変わっていたかもしれないけど…。』
後悔先に立たずだ。
「オールマイトから聞いたよ。
妖怪と合体するんだってね。」