妖怪ヒーローアカデミア2
□62話
1ページ/3ページ
いっくんとかっちゃんの試合は二人がゴールゲートを潜ってクリアした。だが怪我が酷く保健室へと直行する。ウィスパー達はそれを見て自分達もぼろ雑巾のようになってしまうのではないかと恐々としていた。
轟くんと百ちゃんのチームは結構早くクリアしたし、峰田くんも意外と強かった。
三奈ちゃんと上鳴くんのチームと、切島くんと砂藤くんのチームが失格となったが他のチームは概ね問題なくクリアしていた。
そして私の番となり、戦闘場所へと移動する。
「緊張するな〜っ。」
「強いとは分かっていましたが、自分の生徒をあんなにするなんて…。
絶対に戦闘は避けてくださいよ?!」
いっくん達の戦闘を見てしまったからなのか手から汗が噴き出す。
かっちゃんでさえ動けなくなるほど痛め付けられていたのだ。恐くないはずがない。
それでもテストなのだからやらなければならない。
空気を深く吸って精神統一する。
頭をクリアにして、予測出来ない遭遇が来ても対処出来るように。
<<妖見霊和vsオールマイト、戦闘開始!>>
放送が入ってすぐにカイムに取り憑いてもらう。
いっくん達はビル街、百ちゃん達は住宅街など皆ステージが違ったように、このステージも変わっていた。
直径4メートルくらいのトンネルのような場所で、道は一本道になっている。灯りは豆電球のようにオレンジ色の灯りが点々と壁に埋め込まれている。
しかも湿度が高いのか山の中にあるのかわからないが、頭上から雫が垂れて地面が濡れている。
「薄気味悪い所ですね〜…。」
「妖怪ニャンだから暗いとこくらい慣れろニャン。」
「そういうあーたこそ自分で歩ったらいいじゃないですか!!」
「嫌ニャン!オレっち濡れたくニャいニャン!」
ジバニャンは私の背中に引っ付いている。
フゥ2を見ると、フゥ2もホラーは苦手なので恐る恐る付いて来ている。
「道が一本しかない…。
絶対に敵と当たるようにしてるでしょコレ…。」
戦うことなくゴールゲートを潜ったチームはいない。絶対に先生達の妨害が入る。
だが、5分歩いてもオールマイトもゴールゲートも視界に入らない。
時間制限があるので悠長に歩いている場合ではないと判断し、足音をなるべく立てないように小走りで進んだ。
それから数分、前方に光が見え足を止める。
「あれはゴールですかね!?確かめてきます!」
ウィスパーが飛んで行ってしまった。