妖怪ヒーローアカデミア2

□67話
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「オレはヒーローだから借金してるなんて世間にバレるわけにはいかなかったんだー!
利子も返せると思った。」

そういうところの利子は半端なく高いらしい。

ギャツビーの借金は積み上がり、それでもお金が足りないのでさらに借金を何度も繰り返した。

「そう、それで今から2〜3週間前、オレはお金を借りに、この上の橋まで来たんだ。」

『お金を借りるのにこんな所まで?』

「バレないようにするために、毎回会う場所を変えていたんだ。こんな山の中なら人がいないだろ?」

毎回場所が違うと言っても、私なら自殺現場に来たくないなぁ…。

「いつもヤクザの下っぱが相手なんだけど、何度もやれば相手の顔はわかる。だが何故かこの日だけは知らない人だったんだー。
不思議に思いながらも一緒にこの橋まで来て、アイツが持っていたアタッシュケースを手渡され、確認の為に中身を見ていた。そしたらいきなり突き飛ばされて橋から落ちたんだー!持っていたアタッシュケースごと地面に叩き付けられたのは覚えてる。
この辺にお金が落ちてるはずなんだー!」

「だから橋の下で探していたんですね。」

知らない人…もしその人が"敵"で、事件の被害者がお金ナイダー。事件の時間軸も合ってる。
行きに二人いたのに帰りは一人だったのも突き落とされたから。
自殺多発地帯だったのはたまたま。
何でヤクザじゃなく"敵"だったのかわからないけど、ヤクザも"敵"も反社会勢力には変わりないよね。どこで繋がっていても可笑しくない。
そして"敵"の目的は偽物のヒーロー狩り。お金に目が眩んだヒーローを殺すためにギャツビーに手をかけた。

全部辻褄が合っていた。

『やっぱり事件だったんだ。
この事をお父さんに知らせないと!』

「被害者のお金ナイダーも連れて行こう。」

橋に戻ろうとしたら、ジバニャンからお父さんがこっちに向かっていると教えてくれた。
しかしお金ナイダーは付いてこようとしない。

「だ、ダメなんだー!
ギャツビーが女遊びやら借金やらをしているのがバレたら一大事なんだー!」

「そうは言っても事件解決しなければなりませんよ。」

「警察なら知ってそうだけどね。」

「そんなー!」

落ち込むお金ナイダーを引き摺りながらお父さんの所に向かった。

川まで戻り、ダムへと歩いている時だった。

「なんか霧が濃くなってませんか?」

「うん…。気温が変わったりジメッとしてないのに変だね。」

霧は雲が地上に下りた時の名称なので、白く見えるものは水の結晶なはずだ。
だが今は夏で日もかんかん照りの昼間なので霧が出るような条件は何一つない。
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