妖怪ヒーローアカデミア2
□76話
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林間合宿当日。
朝早くに雄英高校からクラスごとにバスに乗った。
相澤先生の説明を受け、休憩所まで私達は気ままにバス旅を楽しんでいた。
私は一番後ろの席に右から空席、私、ジバニャン、ウィスパー、フゥ2と並んで座っている。
『ジバニャンチョコボー食べる?』
「貰うニャン。」
ジバニャンにチョコボーを渡していると、斜め前に座っている峰田くんが座席の上から此方に顔を出す。
「妖見1人で寂しいだろ!オイラとトランプしようぜ!」
トランプを掲げて薦めてくる。前の方に座っている…ではなく立っている飯田くんに座るように注意された。
「下心はあるだろうけど…まぁいいんじゃない。」
着いたら起こして。とフゥ2は寝てしまった。
了承すると、俺も!と前の席の瀬呂くんと尾白くん、峰田くんの隣の砂藤くんも加わりババ抜きをした。
揺られること1時間、バスは山の中の開けた所で停車した。
前から順に降りていき、私もフゥ2を起こして最後にバスから出る。
その時、バスの入り口で立っていた相澤先生が引き止めた。
「妖見、最低30な。」
『??
何がですか?』
相澤先生は返事をすることなく皆の方へ行ってしまった。
「可笑しな方ですねぇ。
30ってなんのことでしょう?」
「さあ。でもなんか嫌な予感がする…。」
フゥ2が辺りを見回す。だがあるのはひたすら山でトイレも何もない。
「ここってパーキングじゃないよね…?」
何も無いところで停車した理由がわからなく、皆も不審気に見渡している。いつの間にか一緒に出発したはずのB組もいなかった。
「何の目的もなくでは意味が薄いからな。」
相澤先生のポツリと呟いた言葉が理解出来ずに首を傾げていると、一台の黒の乗用車が停まった。
中から人が出てきて相澤先生に挨拶するとその人達は不思議なポーズをする。
「煌めく眼でロックオン!」
「キュートにキャットにスティンガー!」
「「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!」」」
フリフリのスカートの衣装に機械で出来た猫のような耳と尻尾を付けた2人の女性と、ライフジャケットにヘルメットを被った女性が決めポーズを取る。側等には小さい男の子が立っていた。