妖怪ヒーローアカデミア2

□80話
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いっくんが放った一発で"敵"は気絶した。

「すげぇ……。」

「ハァ…ハァ…洸汰くんまで…。」

フゥ2に抱かれたまま洸汰くんも戻って来ていた。

「フゥ2もウィスパーも二人を安全な所に避難してほしかった…。」

「手を離してしまって…。」

「洸汰くんまで戻らないと暴れるなんて言うからさ〜。実際個性で水飛ばしてくるし…。」

仕方ないじゃん?と開き直るフゥ2。

いっくんが倒れ込みそうになり私と洸汰くんは駆け寄ったがなんとか踏ん張っていた。

「大丈夫かよ!?」

「大丈夫。
まだやらなきゃいけない事が残ってる。」

「そんなぼろぼろで何をしなきゃいけねーんだよ!」

「もし、この夜襲に来た敵が全員このレベルなら皆が危ない。その上狙いは僕ら生徒かもしんない。
その事を相澤先生やプッシーキャッツに伝えなきゃ。」

"敵"が私とかっちゃんを狙っていると先程いっくんから聞いた。

「僕が動いて救けられるなら動かなきゃいけないだろ。何よりまず君を守らなきゃいけない。」

『っ…そうだね。洸汰くんを危険に晒すわけにはいかない。』

いっくんの怪我を直してから移動したいところだが時間がない。すぐに相澤先生に伝えなくては。

『ウィスパー、妖怪ウォッチ出して。』

「はいでうぃす!」

妖怪ウォッチにキズナースのメダルを入れて召喚する。
移動中に少しでも回復してもらうためだ。

いっくんの背中にキズナースを乗せ、私は洸汰くんを抱っこして施設に向かう。
ずっとこの場にいたウォーターフォース達も付いて来た。





森の中を走っていると横方向から気配がした。
仲間か敵か……足を止めようとしたら頭蓋骨のようなものが飛んで来た。

「ドクロ割り!」

『!』

いっくんを龍のマフラーで掴んで間一髪避ける。

「!?
くそっ。急いでるのに!」

二人で攻撃の来た方を警戒する。
すると木と木の間から頭の長い老人が現れた。
こんな小柄なおじいさんが"敵"なのかと驚く。

「え…、あれ?あれって確か……。でも何でこんなとこに?」

フゥ2とジバニャンが戸惑いを見せる。"敵"と遭遇した時の反応ではない。
知り合いなのかと問う。

「ヤミまろ…だよね?」

フゥ2は老人に確認するように質問する。

「そうじゃ坊主。」

「坊主って年齢じゃないんですけど……。」

ヤミまろ…何処かで聞いた事があるような気がする。しかし思い出せない。
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