妖怪ヒーローアカデミア2
□80話
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「んと…、霊和ちゃんがヒーロー目指した日にオロチとキュウビにメダル貰いに行ったでしょ。その時にもう一人サクラニュータウンにはSランクいるって言ったの覚えてない?
それがヤミまろ。普段地下水道から出てくることなんかないんだけど…。」
そんなことがあった気がするがもう何年も前なので記憶が曖昧だ。
「お主が妖怪の友達を作ってヒーロー活動しとるそうじゃな?
ワシに話に来んとはどういうことじゃ!」
ヤミまろは普段地下水道の一番奥にある部屋に居住していて出てこない。故に外からの情報は妖怪テレビくらいで、私が出ていた体育祭を見て私の存在を知ったらしい。
沢山の妖怪と協力していた事に気付き、久しぶりに出て地下水道内にいる妖怪に話を聞いて結構な数が私の友達という事実を知った。
しかも悪さをした妖怪を追っていたキュウビと偶々地下水道内で出会い、私と友達な事を自慢されたらしい…。
他の妖怪は友達になっているのに、自分だけハブられた事の文句を言いに地下水道を出て私を探したところ、闇に潜んだ今回の"敵"連合が私の名前を言った。
そしてこの合宿場に私がいることを知り"敵"達に付いて来て今に至る。
「信じがたいですねー。実は貴方が"敵"を操っているんじゃありません?」
「あやつらは良い素質を持っとるからワシからそんなことはせん!
ワシはお主らに腹いせしたかっただけじゃ!」
ヤミまろにとっての"良い素質"とは闇の心を持つ者の事だ。あまり褒められたことではない。
「腹いせって……。
霊和ちゃんと出久は先に行ってなよ。俺達が足止めする。」
「……それしかないか。」
いつの間にか肩に手を置いて話を聞いていたいっくんがフゥ2の言葉に頷く。
「逃がそうなどせんぞ。」
ヤミまろは頭蓋骨のような物を無数に放ってくる。
洸汰くんに当たらないように攻撃避けると自然といっくんから間を取ってしまった。
ヤミまろが見えなくなったいっくんに向けて粘着性のある液体が掛けられた。
『いっくん!』
「……。」
傷を負っているような様子はないが沈黙を通す。
「ヤバいよ…。あれ多分ヤミまろの取り憑きだ。」
『ウィスパー!ヤミまろの取り憑きは!?』
「え、ええとですね〜…確かー…あ、ありました!…いや何でもありません。
ヤミまろの取り憑きは非道そのもの!あらゆる闇に手を染め、悪に関する称号全て似合うようになってしまいます!」
闇…?
常闇くんのような感じになるのかと考える。
しかしその考えは誤っており、いっくんはいきなり私に向かって拳を振るってきた。