妖怪ヒーローアカデミア2
□84話
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妖怪の活躍により、現場の脳無はあらかた片付いた。
私達は脳無の格納庫に一番近い駅にいるうんがい鏡までワープしてもらった。
友達全員連れて走って行くと、途中から景色がガラッと変わったように全てが壊されていた。家も店もマンションも…車に電柱もポストまで全てがなぎ倒され破壊されている。
「酷い…。"敵"がやったんですかね?」
「オールマイトかもしれない。
作戦じゃ"敵"の親玉が出てくる前に片を付けるつもりだったけど、脳無の方が明らかに失敗してるからね…。親玉が出てきてオールマイトと戦ってるんだと思う。」
親玉──作戦会議中にもちょろっとだけど名前が出てきていた。"敵"連合を束ねる者で、オールマイトの内臓をボロボロにしたオール・フォー・ワンだ。
『飛んでくる瓦礫には気をつけてね!
着き次第ブンブン鳥は妖怪ウォッチCを取り返して、他の皆はフユニャン達の救出だよ!』
おーー!!と全員で掛け声を上げて前進する。それはまるで百鬼夜行のようだった。
瓦礫が積み足場が悪い町の中心点までやっとの思いでたどり着いた。
そこには痩せ細ったトゥルーフォームのオールマイトと、目も髪もない化け物染みた顔に酸素マスクをした人型の生き物だった。
「うげっ…なんですか、あの気持ち悪いの。」
「ウィスパーも変わらないニャン。」
「なんですとー!!」
コントをし出した二人を注意し、多分あの怪物がオール・フォー・ワンだと思いブンブン鳥に行かせる。
縄の先端のわっかがオール・フォー・ワンに当たるとバチッ!と電気が走ったように音が鳴り弾かれてしまった。二人が此方に気付き、オールマイトが声を粗げる。
「なんで来てるんだ!すぐに逃げるんだ!」
『まだ妖怪ウォッチを取り返してません。
オールマイトこそかっちゃんはどうしたんですか?』
オールマイトが答える前にオール・フォー・ワンが口を挟んでくる。
「来ると思っていたよ。ウォッチ使いの妖見霊和。」
『ウォッチ使い?』
妖怪ウォッチを使う人のことだと思うが聞いたことがないので断定出来ない。
「君のお友達はそんなことも教えていないのか?
──…この時計を使ってみたのだけど僕には使えなくてね。ウォッチ使いにしか使えない妖怪ウォッチだと思ったのだけど…そうではないみたいだね。」
オール・フォー・ワンの左手首には妖怪ウォッチCが結ばれていた。