妖怪ヒーローアカデミア2
□85話
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敵のアジトに潜入したのが20時くらい。今はもう空が明るくなりだしていた。
瓦礫などに挟まって動けない人がいるかもしれないと、捜索が得意なプロヒーロー・ウワバミが個性を使って探し、他のヒーローが瓦礫の撤去をする。生きていた人は妖怪の皆が救出してくれていたからいいが、死者も多々いるようで捜索は難航している。
そんな中、私はというとエッジショットやベストジーニスト、グラントリノ、塚内さんといったかっちゃん救出メンバーからお説教を貰っていた。
「作戦は必ず守らなくてはいけない。わかってるな?」
「お前はまだヒーローの資格を持っていないんだ。戦いの前線に行くなどもってのほかだ。」
「小僧といいお前さんといい雄英はどういう教育をしてるんだ。オールマイトにも一度ガツンと言わんといかんな。」
『はい……。』
身長の高い大人に囲まれ叱責される。メディアのカメラがたまに此方を向いてくるので離れたい…。
フゥ2やジバニャン達が後ろで慰めてくれているのが唯一の救いだ。
メディアのアナウンサーが驚いたような大きな声をあげたので気になり見てみると、意識を取り戻したオール・フォー・ワンが警察に連れられて移動牢・メイデンに入れられた。
「はぁ…ま、今回は君のお陰でもあるようだし、怒るのはこの辺で終わりにしよう……と言いたいところだが、君はこの後警察署で事情聴取だ。いいね?」
『またお説教!?』
「違う。君はまだ隠してることがあるな?聴取で吐いてもらう。」
そう言う塚内さんは自分の腰に手を掛けたら、私の腕を取り手首に何か付けた。
『手錠!?ま、待ってくださいっ。私"敵"には何もしてな…っ、』
「さあパトカーに乗った!言い訳は署で聞くよー。」
オールマイトに回復を…なんて言ったけど、背中を押す手は止めてくれなかった。
そのままパトカーに乗って連れてかれる私をウィスパー達は呆然と見てた。
フゥ2は妖怪達を解散させ、ウィスパーとジバニャンを連れてパトカーを追い掛けた。
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机とパイプ椅子が真ん中に鎮座する簡易的な小さな部屋に入れられ、端にはパソコンを使っている人がいた。
私の前には塚内が対談する形で座っている。
「──…やはり君が事件の犯人だったわけか。」
『はい…。』
拳をギュッと握って次の言葉を待つ。それというのも、此処に連れて来られてされた質問が原因だった。