妖怪ヒーローアカデミア2

□85話
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「──…今回の脳無の動きを見て、3〜4年前から度々目撃される"敵"不可思議事件は君が関係していると断定した。」

『……、』

「例えば2年前の4月、軽トラで走りながらピストルの個性で乱射する"敵"の事件では、弾が絶対に誰もいない方向に飛んでいく不可思議な事が起こった。今日も脳無が飛ばした玉がギリギリ誰も当たらない方へと方向転換していた。
去年の2月には窃取の個性で繁華街にいた人の所有物を盗む"敵"があたふたし出し容易く確保された。今回も右往左往している"敵"がいた。
今年4月の始めには火の個性で住宅街の家屋を次々に燃やす"敵"は、目を閉じ満を持していないと行動を停止していた。脳無は喋ることが出来ないが同じ行動を取っていた。」

一つ目はバンジー急須、二つ目はしどろもどろ、三つ目は万尾獅子を呼び出した時だとすぐにわかった。
(万尾獅子は取り憑き側をやってたんだ。今回は攻撃側に徹して欲しかった…。)

『…合ってます。私が全部指示しました。』

そんな犯人の自供みたいな言い方言わなくても!と、ウィスパーが止めてくる。

「ヒーローになりたいが故の行動か。」

『ヒーロー…もあるけど、ただ困ってる人を助けたかったんです。その中には手をこまねいているヒーローも入っていて、少しでも助けになればいいと思って…。勿論"敵"だろうと怪我はさせていません!』

脳無には怪我させてしまったけど…。

「怪我をさせていなくとも、ヒーロー免許を持っていない者が個性を他人に向ける行為は違法だ。……とは言っても個性(のようなもの)を使ったのはアノ生き物…。この子にはなんの能力もない。教唆になるのかも微妙なラインだな。」

塚内さんはぶつぶつと考え込み、一つ質問をしてきた。

「アノ生き物は人間じゃないんだな?」

『妖怪です。人が死んじゃった後に生まれ変わったり、何年も大切にされた物に命が宿ってるんです。』

「そうか……よし。
妖怪は人間の法律に当てはまらなく、今回のことも君や妖怪が何かをしたお陰で脳無の拘束が俊敏に出来、オールマイトが勝てたのだろう?
ならば今回は目を瞑るしかないな。」

ニヤリと口角を上げた塚内さんに私達だけではなく、記録していた人まで驚く。
いいのかと問い詰めていたが塚内さんは表情を変えない。
私も唖然としてフゥ2達と目を合わせる。
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