妖怪ヒーローアカデミア2
□86話
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エンマ大王と学校から手紙が来て2日後。
今日は寮生活するにあたって保護者の了承を得るために、担任である相澤先生と付き添いのオールマイトが家にやって来るはずだ。
居間には朝からずっと動かないお父さんがいる。普段仕事勤めで余り家に居ることはなく、お父さんが休みだとしても私は学校か休みの日でも仲間集めだ鍛練だで居間にずっといることがないので変な気分だ。
ずっとテーブルを見詰めて動かないお父さんに気味が悪く感じ、早々と自室に避難した。
レースカーテンの隙間から外を見ると既にメディアの姿はない。近所からの苦情と学校の要請、そして私がわすれん帽で追い返していた事で見張りは諦めたらしい。お父さんが教えてくれた。
安心して窓から離れると、机の上に置いてあった携帯電話が鳴った。ずっと音が流れるので電話みたいだ。
出るとザッと機械音が聞こえた後に少女の可愛らしい声が聞こえてくる。
<<今年はいつ来るの?私はえんえん待ってる。貴女はえんえん私を待たせる。>>
それだけ言ってブツッと通話を切られた音がした。
『忘れてた…。どうしよ。』
画面には非通知と書いてあったがこの電話は小学生の時に友達になったえんえん少女からだった。えんえん少女はケマモト(毛馬本)村に行った時に出会い友達になった。それから毎年夏休みにトンネルに入り会いに行っていた。それなのに今年はパーティーだったり合宿に行ったりで忙しかったので今の今まで忘れていた。
因みにえんえん少女の電話番号は登録していない。それでも幽霊は電波をジャックさせて私の所へ声を掛けてくる。携帯電話を持って直ぐは知らない番号からよく無言電話が掛かってきて怖がっていたが、今ではもう慣れてしまった。
「誰から?何か約束してたの?」
『えんえん少女からだよ。怒ってるかも…。』
「嗚呼…今年は行ってなかったもんね。でも今年は行けないんじゃない?
今は自宅待機中で、寮に入ったら特別な事がない限り敷地内から出られないって言うし。
そうだよ、行かなくていいよ。あんな怖い場所入りたくないもん。」
『もうトンネル慣れたから大丈夫だよ。』
「慣れるわけないでしょ!」
最短で行けばそんなに怖くないよ。と反論してると、また電話が来てえんえん少女が催促してきた。此方の事情を言おうとしてもその前に通話を切られてしまう。