妖怪ヒーローアカデミア2
□86話
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会いに行かない限りずっと電話が掛かってくる気がする。
私もえんえん少女に会いたいし、なんとかして行けるように相澤先生もしくは雄英高校の最高責任者である根津に頼み込むしかなさそうだ。
丁度今日家に来る事になってるからその時に頼もう。
──────
15時過ぎ、チャイムが鳴り、相澤先生とオールマイトが来訪した。
気持ち悪いことにずっと身動きをしなかったお父さんがやっと動き出し、入って来た先生二人を親の仇かなんかみたいに睨み付ける。冷や汗をかく二人に無視するように言って椅子に座らせる。
手紙で内容は知っていたが、確認の為と説明が始まった。
「──…と、言うことで学校が責任を持って娘さんをお守りし、立派なヒーローにしてみせます。」
「……ダメだ。」
『えっ、』
「やっぱり無理!霊和と会えないなんて嫌だー!」
「一生の別れじゃないんですから…。」
『うん。それに普段からそんなに一緒にいないよ。』
癇癪を起こすお父さんに呆れる。
週に一回は顔を合わせているが、お父さんは普段から多忙なので家族全員で食事なんて月に1、2回くらいしかない。
「紙を破ったのに夢じゃないと知らされて……何度も霊和の為だと自分に言い聞かせてもやはり私は霊和と離れたくないー!」
「紙破った自覚あるんだ…。」
「それにもし私が居ない寮で幽霊に取り憑かれたら!?霊和が病弱になって死んでしまうかもしれないじゃないか!」
『高校内は清んでる方だよ。。血だらけの人見たことないもん。』
「(学校の敷地内にも幽霊いるのか!?)」
オールマイトが衝撃を受けてる事も知らずにお父さんと言い合う。
「男と一つ屋根の下に暮らすのも認められない!」
「部屋は別々ですよ!?
峰田くんと霊和ちゃんを一緒の部屋にさせられたら考えものですが、まずあり得ませんから!!」
『学校に行くには寮に入らないとなんだよ。わかってお父さん。』
「だが…、」
それでも渋るお父さんに、お母さんが助け舟を出してくれた。
「二人で決めたでしょう?霊和がヒーローになるために見守るって。今更意見を変えるなんて情けないわよ。」
「〜〜っ。
…………………わかったよ。」
あんだけだだっ子みたいにしていたお父さんが、物腐れた顔をして大分間が開いたが了承してくれた。尻に敷かれてるみたいに見えるが気のせいだ。