妖怪ヒーローアカデミア2
□87話
1ページ/6ページ
寮に入る為の準備をしながら1日過ごし、えんえん少女に会いに行く日はすぐにやってきた。
お昼ご飯を食べて寸刻で相澤先生は家に来た。
お母さんが事前に買ってきてくれた物を持ち、私の部屋のベランダにいるうんがい鏡を通ってケマモト村のバス邸にワープする。
えんえん少女のいるえんえんトンネルに入るまでに徒歩で10分くらい掛かる。
『えんえん少女の所に行く前に、ちょっと寄ってもいいですか?』
「もう寄る気だろ…。
好きにしろ。」
私の持っている紙袋を見て半目になっている。先生の了承を得られたので行くことにしよう。
橋を渡り、道沿いに歩いてYの字の交差点を右に行く。少し歩くと辺り一面緑になった田んぼ畑になった。鋪装されていない道を歩き、森に隣接した小屋の前に来る。
『此処からは空を飛んで行かなくちゃなんだけど…フゥ2いける?』
フゥ2は乗り気しない顔で相澤先生に近付き、脇の下に腕を通して持ち上げる。踏ん張ってふらふらしながらもなんとか持ち上がり、危なげな様子で森の上空を飛んだ。フゥ2が見えていない相澤先生は心配そうだ。
私もウィスパーに連れて行ってもらい、森の中にあるツリーハウスまで行く。此処は妖怪ガッツKが住んでいる家だ。
降ろしてもらい、扉をノックするとすぐに中から妖怪ガッツKが出てきた。
「よう!久しぶり…でもねぇな。」
『こんにちは。この間はありがとうね。これ、ちょっとしたお礼なんだけど皆で食べて。』
お礼とお中元の意味を持ってきていた大きな紙袋を一つ渡す。
すると、何処から途もなく次々と妖怪が顔を出してきた。
「霊和だー!」
「ナニソレ?オカシ?オカシだ!!」
「あら、甘い物かしら?」
「一つ寄越せ!」
「そう焦らずとも皆に分け与えますよ。」
「パイセン方!わあ!ここは古典妖怪の倉庫です!」
早々に紙袋から箱を取り出し、詰め合わせの和菓子に群がる妖怪達。古典妖怪ばかりでウィスパーは眼福と目をキラキラさせていた。
「お前ら……
俺が貰ったんだからな!半分は残しておけよ!」
「そこは"騒がしくするな"とか"はしたないマネするな"って言うとこでしょ。
半分も自分の物とか強欲すぎ。みっともない事言わないでよ。」
「ぐぅっ。孫が冷たい…。」
辛辣なフゥ2に傷心していた。