妖怪ヒーローアカデミア2

□89話
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張り切ってスタッフの後ろに付いて行ったウィスパーに手を振り、私達は観客席に移動した。
一番前の席に座り、試合が始まるのをワクワクしながら待った。



観客席が7割方埋まり、時間とともにウィスパーがステージに出てきた。

「皆様お待たせ致しました!
ご存知の方はお久しぶり、初めての方は初めまして、本日司会審判を務めさせて頂く、私ウィスパーと申します。よろしくお願いしますでうぃっす!!」

私は溢れんばかりに拍手する。だが周りの拍手はまばらでフゥ2とジバニャンも力なく叩くので、ウィスパーは拍手を強要させていた。

ウィスパーはそれでは、と腕を上げ、何やら指揮者みたいに腕を振る。
よくわからなくて周りを見ると、皆ポカンとしていてフゥ2だけが笑っていた。

「……うおっほん。本日の妖魔武道会は3人以上の団体戦。トーナメント形式で戦っていきます。一位のチームには豪華な景品が贈られます。
ではでは早速一チーム目のご入場でうぃすぅぅうう!!」

ドンッと太鼓が叩かれ音と共に一チーム目がステージに立った。

「Aチームはアッチィソウルブラザーズからあつがルル、のぼせトンマン、あせっか鬼の三体!
Bチームからはきびだんごで鬼退治集団からモモタロニャン、イヌニャン、サルニャン、キジニャンの4体でうぃす!」

Aチームの3人はよく会うアツイ系妖怪の仲の良い人達で、もう一人、メラメライオンがいるはずだが今日はいない。
Bチームは有名な童話の人達が妖怪になった姿らしい。犬なのか猫なのかどっちなんだろう?

人数差のある対決はあっさりとBチームが勝って、次の組になる。

「続きましてCチームから万尾獅子、どっちつかず、のらりくらり!Dチームからは宇宙行き隊のUSAピョン、USO、まぼ老師!」

「あれ、USAピョンじゃん。こういうの出ないと思ってたのに景品目的かな?」

『あの黄色いウサギだよね。知り合いなの?見たことないなー。』

私より身長の低い妖怪は大きい妖怪と比べて比較的よく人間界にいるが、USAピョンと言われる妖怪を見たことがなかった。フゥ2とも知り合いなことから人間が嫌いなわけではなさそうだけど…。

「友達の友達って感じかなあ。昔は人間と住んでたけど、最近見てなかったから妖魔界に留まってるんじゃない?」

USAピョンは、試合中にも関わらず「まだだ。」と目も開けずに動かない万尾獅子に痺れを切らして閃光銃を放つ。それでも万尾獅子は動かないが何故かUSAピョンの弾は当たらない。相当銃使いが下手らしい。
万尾獅子が満を持したと目を開け刀を掴むと驚異的なスピードでUSAピョン達を切り刻む。

「心配するな、峰打ちだ。」

「つ、強いダニ…っ。」
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