妖怪ヒーローアカデミア2

□90話
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寮に入る日が決まり連絡が来てあっという間に入寮当日となった。

ベッドや机は先に送っていてもそれでも今日の持っていく荷物もそれなりに多く、電車などの移動も危険がある可能性があるために、かっちゃんのお父さんの運転で寮へと向かうことになった。

家のインターフォンが鳴り、バタバタしながら出ると元気そうなかっちゃんがいた。

『かっちゃん久しぶり!
あの後無事に救出されたって聞いてたけど心配だったんだよ。メールも返してくれないし!かっちゃん家に行こうにも外出禁止だし。』

会って早々ずっと言いたかったことを言いながら、何処にも怪我がないか服を捲って触って確かめる。全く傷が見当たらないから"敵"に酷いことはされてないのかもしれない。治療してあったらわからないけど。

「鬱陶しい!捲んな!
怪我もしてねーよ。」

顔が若干赤いような気がするが元気に怒鳴れるなら問題なさそうだ。

『良かったぁ。
──…オールマイト達と一緒に助けに行った時、私達はジバニャンと妖怪ウォッチだけに専念してって言われたけど、ホントはかっちゃんの事も助けたかった…。飛ばされる前に私が動いてたら何か変わったかもしれないって今でも思っちゃって…。』

どんなにたらればを言おうと後悔先に立たずだ。分かっているのに思考は止められなかった。

だが……──

「助けなんていらねーよ。」

『え…?』

「俺なら一人で逃げれた。
助けなんて必要ねぇんだよ。余計なお世話だっつーんだ。特にテメェには……。」

『そう、だよね。かっちゃん強いもんね。
それに私達が動かなければオール・フォー・ワンが動かなかったかもしれないし、町も破壊されなかったかも…。』

たらればの思考は止まらずネガティブになっていると、後から来たジバニャンとフゥ2がため息を吐く。

「そんな事言って…結構ギリギリだったニャンよ。
あそこでオールマイトが来なかったら"敵"に伸されてたニャン。」

「勝己は口下手というかなんていうか…。言い方悪いって何回言ったら直してくれるの?」

フゥ2がかっちゃんは利かん坊だなと呆れる。

「勝己の言葉を翻訳すると、"守るって誓ったはずの霊和ちゃんに助けられて男のプライドズタズタ。そんなことになるくらいなら助けなんていらねー。"ってこと。
霊和ちゃんが落ち込むことないよ。素晴らしいヒーローだったもん。」

『そうなの?』

私はかっちゃんの顔を見るが、フゥ2の声が聞こえないかっちゃんには何に対しての質問なのかわかっていない。
それでもかっちゃんが苦虫を噛み潰したような顔をしている。
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