妖怪ヒーローアカデミア2
□92話
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皆とのわだかまりもなくなり一段落すると、三奈ちゃんがフゥ2の部屋を見たいと言うので覗く。散らかっていないかと心配していたが、それよりも悲惨な、カオスと言うべき光景が広がっていた。
ジバニャンとひも爺は未だにチョコボーの早食いをやっていて、つまみぐいの助まで参戦している。
フゥ2の方は誰も答えないクイズ大会をしていて、ふぶき姫が部屋の一部を凍らせて南国にバカンスに来たかのように寛いでいる。隣ではコマさんが氷漬けにされて、コマじろうが助けようと氷を砕いていた。
パーティー妖怪達は周りが見えていないようで音楽に合わせて踊っていた。
『ちょっと見せられないかも…。』
誰にも見られないように閉めるとブーイングされる。
「妖怪の私生活ってどんなのか気になる!」
「ちょっとだけ!ちょっとだけだから見せてくんね?」
ちょっとだけだよ。と、三奈ちゃんの手を引き扉を開けようと手を掛けると、内側から開けられた。
『あ、ジバニャン。』
「も゙う無理ニャン……。気持゙ち悪いニャ…。」
「どしたん?
中で何が起こってんの!?」
どれだけ食べたのだろうか、お腹処か顔までパンパンにして口に手を当てていた。
フゥ2の部屋に入ると、クイズ大会をしていたフゥ2が此方に逃げてきた。
「やっと帰って来たと思ったらズラズラと全員で来て…何してたの?」
「部屋披露大会の真っ最中だよ!霊和は女子のトップバッターなのさ!」
三奈ちゃんは小さな私を包み込むように背後から抱き付いてくる。
「ふぅん…誤解は解けたみたいだね。
皆仲良いようでなによりだよ。」
『うん。』
「そっちこそ何してたの?
沢山いるんだけど…。」
先程まで思い思いに騒いでいた妖怪の目が此方に向いていた。
『引っ越しパーティーやってたんだよ。
部屋披露するって聞いて私とウィスパーだけ抜けちゃった。』
「妖怪も人間と同じなんだね。」
私と三奈ちゃんで話していると、妖怪を代表してふぶき姫が三奈ちゃんに話し掛ける。
「貴女と話すのははじめましてね。
私はふぶき姫。
貴女達の事よく見てるわ。貴女の個性面白いのね。」
「エヘヘっありがとー。」
ずっと後ろから見ているだけだった上鳴くんが手を上げて俺も見たい!と言ってきて、次々に皆も手を上げる。
三奈ちゃんの手を離し、上鳴くんと透ちゃん手を繋ぐ。
その後も何度も交代しながら妖怪と交流した。