妖怪ヒーローアカデミア2
□93話
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雄英ではヒーロー科のみ2学期が早く始まった。校舎の中はいつもより半分もいかない人数しかいなく寂しさを感じる。
席に全員着席し、担任である相澤先生の声に耳を傾ける。
「昨日話した通り、まずは"仮免"取得が当面の目標だ。
ヒーロー免許ってのは、人命に直接係わる責任重大な資格だ。
当然取得の為の試験はとても厳しい。仮免といえどその合格率は例年5割を切る。」
半分以上は抜けられない関門。身が引き締まる想いだ。
「そこで今日から君らには一人最低でも二つ…。」
相澤先生が人差し指を招くように動かす。するとミッドナイト先生、エクトプラズム先生、セメントス先生が教室に入ってきた。
「必殺技を作ってもらう!!」
「学校っぽくてそれでいてヒーローっぽいのキタァア!!!」
教室に嘗てヒーロー名を決めた時と同様に歓声が響き渡った。クラス中が奮い立っているんだろう。
「必殺!コレスナワチ必勝ノ型・技ノコトナリ!」
「その身に染みつかせた技・型は他の追随を許さない。
戦闘とはいかに自分の得意を押し付つけるか!」
「技は己を象徴する!
今日日必殺技を持たないプロヒーローなど絶滅危惧種よ!」
戦闘は"得意を押し付ける"か…。
私の得意ってなんだろう?
「詳しい話は実演を交え合理的に行いたい。
コスチュームに着替え、体育館γへ集合だ。」
相澤先生の指示で体育館γへと移動した。
中に入ると床、天井全てがセメントで出来た体育館だった。
「体育館γ、通称トレーニングの台所ランド、略してTDL!!」
「それって東京ディ…、」
「言っちゃいけませんよ!」
どこかで聞いた事のある名称を言いそうになったフゥ2はウィスパーに止められた。
体育館γはセメントス先生考案の施設となっており、生徒一人一人に合わせた地形や物を作れるようになっている。
台所っていうのはそういう意味合いだ。
飯田くんが手を上げて質問する。
「質問をお許し下さい!
何故、仮免許の取得に必殺技が必要なのか意図をお聞かせ願います!!」
コスチュームで隠れているかわからないが、鬼気迫った感じが窺える。
「落ち着け。順を追って話すよ。」