妖怪ヒーローアカデミア2
□95話
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訓練の日々は流れ試験当日になった。
1年A組は試験会場となる国立多古場競技場にやってきた。身内での争いを避ける為B組は違う会場にいる。
「──…この試験に合格し、仮免許を取得出来ればおまえら志望者は晴れてヒヨッ子…セミプロへと孵化できる。頑張ってこい。」
相澤先生の激励の言葉に全員闘志を燃やす。
「っしゃあ!なってやろうぜヒヨッ子によォ!!」
「いつもの一発決めて行こーぜ!
せーのっ!"Plus…「Ultra!!」」
「!?」
皆が円陣を組んで拳を掲げようとしたその時、切島くんの背後に見知らぬ他校の男子生徒が言葉を被せてきた。彼はその鍛え抜いた身体に見合う大声を上げ、全員を驚かせた。
「勝手に他所様の円陣へ加わるのは良くないよイナサ。」
「ああしまった! どうも大変失礼致しましたァ!!!!」
同じ制服の人に咎められ地面にめり込むんじゃないかと思う程頭を下げられ、気迫に押された数人から悲鳴が聞こえる。
「なんだこのテンションだけで乗り切る感じの人は!?」
「待ってあの制服…!」
『?
近くの高校にいたっけ?』
「全然違う!
西の!有名な!」
「東の雄英、西の士傑…」
「ヒーロー科の中でも雄英に匹敵する程の難関校……士傑高校!」
知らないのは私だけのようで、皆あーアレね。という顔をしている。
「霊和ちゃんは高校選びちゃんとしてませんでしたからね。」
『うぅ゙…、』
当時は近くの高校でいいなんて適当な事言ってたからね…。雄英に入って後悔はしてないよ。
「一度言ってみたかったっス!!"Plus Ultra"!
自分雄英高校大好きっス!!
雄英の皆さんと競えるなんて光栄の極みっス!
よろしくお願いします!!」
「ずっとエクスクラメーションマーク付けてて騒がしいよ!
そして頭から流れてる血が怖い!」
フゥ2が全力でツッコむ。
同校の生徒に言われて退散していく男子生徒の後ろ姿を見つめながら相澤先生が呟く。
「夜嵐イナサ……。
ありゃあ…強いぞ。」
「「『え、』」」
「いやなのと同じ会場になったな…。
昨年度…つまりおまえらの年の推薦入試、トップの成績を出したにも拘らずなぜか入学を辞退した男だ。」
『!』
事前に聞いていた話では、仮免試験を受ける人は訓練や実績を積んだ2、3年生が多いと聞いていた。
それが先輩方と一緒に私達と同い年の人が加わり仮試験免を受ける程の実力…しかも雄英推薦トップなら轟くん以上ということになる。