妖怪ヒーローアカデミア2

□97.5話
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〜no side〜



周りは全て海、絶壁で覆われた孤島、"敵"犯罪者特殊収監施設タルタロスという場所がある。
24時間監視され、個性も使えず、時に動くことさえ出来ないよう拘束される。孤島のため脱獄することも出来ず、限られた人間しか入れないので他人に助けを呼ぶことも出来ない。
この場所に件のオールマイトが伸した残虐非道な"敵"が収容されている。

オールマイトはどうしても話をしなければならない訳があり、己が投獄させた者と面会した。

「───…そろそろ後期が始まっている頃だろう?もう始まっているのかな。
教育に専念するもんだと思っていたが…ボクに何を求める?」

痩せ細ってしまったオールマイトの前には手首も動けないよう拘束服にベルトで縛り付けられたオール・フォー・ワンが硝子越しにいる。戦闘で負傷したため酸素ボンベが取り付けられていた。

「ケジメをつけるだけさ。」

自分から問いたにも関わらずオール・フォー・ワンは拘束されていることへの愚痴をこぼす。

「何を求めてる?グラントリノは?独断か?
その未練がましいコスチュームは何だ。キミまさかまだヒーローをやってるんじゃないだろうな?」

簡単には面会出来ないので久しぶりに話す反動でオール・フォー・ワンの口は止まらない。

オールマイトは死柄木が何処に潜んでいるのか問うが知らないと突っぱねる。
では死柄木をオール・フォー・ワンの後継者にした理由を聞く。

「キミが全て奪ったからだろ。
ボクの身体を見ろ。この管で漸く生命を維持している。
無限に思えたボクの理想は、キミの登場によって有限となったのだ。終わりがあることを知れば人は託す。
皆がやってる事をボクもしようとしてるだけだ。」

監視カメラから残り3分だと告げられる。

「待ってくれ!そりゃないだろ。話をしたいんだ。
もっと、そうだな…世間はキミの引退にかなり動揺したと思うんだが様子はどうだ?」

<<外の情報は遮断されています。軽率な発言はお控え願います。>>

「…だそうだ。」

「残念だなァ。

…きっとこうかな?
今頃メディアはキミのいなくなった不安、そして新たなリーダー・エンデヴァーへの懸念が重なりヒーロー社会全体の団結を訴えている。
一方で不安定になりつつある空気を察知してヒーローを支持しない、所謂日陰者が暴動を起こし始める。自分達も社会を動かせるんじゃないかと…。
組織だって動き始める。」
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