妖怪ヒーローアカデミア2

□101話
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始業式から4日、謹慎していたいっくんが今日から復帰した。遅れた分を取り戻そうと、いつにもまして気合いが入っている。

「全員席につけ。」

いっくんの応援をしていると、相澤先生が教室に入って来て皆は自分の席に着く。

「おはよう。
じゃあ緑谷も戻ったところで、本格的にインターンの話をしていこう。
入っておいで。」

『?』

相澤先生がそう言うと、教室のドアが開いて、3人の雄英生が入ってきた。

「職場体験とどういう違いがあるのか、直に経験している人間から話してもらう。
多忙な中都合を合わせてくれたんだ。心して聞くように。」

「自分で説明するんじゃないんですね。」

「こういう時いつも相澤先生って他人任せだよね。」

ウィスパーとフゥ2がこそこそと話している。

「現雄英生の中でもトップに君臨する3年生3名。通称“ビッグ3”の皆だ。」


「学校の中で一番プロヒーローに近い存在…。」


「あの人達が…的な人がいるとは聞いてたけど…。」

『そうなの?』

「めっちゃ綺麗な人いるし、そんな感じには見えねー…な?」

ビッグ3なんて初めて聞いた…。

「じゃ、手短に自己紹介よろしいか?まず天喰から。」

「……。」

相澤先生に促され、天喰と呼ばれた黒髪の人が顔を上げる。

「「「「!?」」」」


鋭い目付きに全員が怯んだが、すぐに天喰先輩は小刻みに震え出した。

「だめだミリオ……波動さん……。
ジャガイモだと思って臨んでも……頭部以外が人間のままで以前人間にしか見えない。
どうしたらいい、言葉が……出てこない……。頭が真っ白だ……辛いっ……!」

「うわぁ……。」

天喰先輩の発言に、皆の方の力は抜けたがどう反応していいか困る。
フゥ2は呆れたような顔をしていた。

『緊張してるのかな?』

「あんなナリしていて上がり症なんですね。」

天喰先輩はしまいには帰りたい……!と体をくるっと回転させて背中を見せた。

「あ、聞いて天喰くん!
そういうのノミの心臓って言うんだって!ね!人間なのにね!不思議!」

女の先輩が止めを刺す。
ウィスパーがコントか!と思わずツッコんだ。

おでこと黒板をあわせる天喰先輩に代わって、女の先輩が話を続けた。

「彼はノミの"天喰環"。それで私が"波動ねじれ"。今日は"インターン"についてみんなにお話してほしいと頼まれてきました。」

ノミ……。
あ、あれかな?かっちゃんがいっくんの事デクって呼ぶ的なことかな?
今じゃいっくんも嫌がってないし、天喰先輩も好きで言われてるのかもしれない。きっとそうだ。
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