狩人×OP
□7.追う者と逃げる者
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聖地マリージョアにてーー
部下の報告を聞いた男はまたもや事件を起こしてくれたルーキー達に頭痛がするのを隠せないでいた。
「ーー兎に角天竜人3名を人質にとった前代未聞の凶悪事件と判断しております」
「ーー何か要求はあるのか?」
「いえ、今の所は……!!」
今の所は要求らしい要求はないらしいが、こちらもこちらで忙く。
海軍は今ある男と戦う為の準備をしているため余り人員を割けない。
「センゴクさん……」
「黄猿…」
「わっしゃが出ましょう、直ぐ戻ります。御安心なすって」
男ーーセンゴクは名乗り出た黄猿にこの件はお前に任せると頷くと、黄猿は部屋を出る。
黄猿は早速問題のルーキー達が居る島、シャボンディ諸島に向かう為に船に乗ろうとする足を止め、後ろの人物に声をかける。
「やっぱり気になるんじゃぁないの」
「別に…もしそうだったらお前に殺されたら困るからね」
「そんな事したらこっちが殺されるからねぇー」
黄猿の軽口を無視し、その人物はさつさと船に乗る。
相変わらずの態度にわざとらしく肩を竦めると、
「相変わらず弟思いの良いお兄ちゃんだね……」
嫌みのつもりで言ったのだが、褒めても何も出ないよ。などと全く持って嫌みと気づいて無いのか、それとも気づいていて無視しているのかは無表情で感情の読めない男からは何も読み取れない。
男は黄猿の嫌みにも気にしていない様子で腰まである長い黒髪を結ばず風に身を任せ、船の甲板に立つと男ーーイルミ・ゾルディックはシャボンディ諸島に探している弟が居ると確証はないが、絶対に居ると自分の長年の感が言っていた。
「少しは成長してるかな」
というかしてくれていないと困るが。