狩人×OP
□9. 覚悟
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薄暗い地下牢のような所ではある事が行われていた。
その部屋からは幼い子供の泣き声が響いていて耳を塞ぎたくなる程の事がこの部屋ではまだ10にも満たない子供が過酷な数々の拷問が行われている。
時には針で刺され、時には何万ボルトの電流をながされるなどそれ以上のことなども平気で行われていたのだ。
『うっ…うぅ……痛いよ…』
『キル暗殺者が泣いちゃ駄目だろ』
『イル兄痛いよ…』
『こんなことで根をあげてちゃ跡継ぎにはなれないよ』
まだ幼い少年の身体には無数の痛々しい程の傷があちらこちらに出来ていた。
子供は尚も止めて、痛いと大きな瞳からぽろぽろと涙をもらす。
痛い、痛いよ。
自分は別に後継者なんかなりたくないのに。
後継者なんてイル兄がなれば良いのになんて口が裂けても言えない。
そんな事言ったあかつきにはなにされるか分からないから。
何で自分がこんなめに遭わないといけないんだ。
こんなめに逢うくらいならいっそのこと死んでしまいたい。
そうだいっそのこと死んでしまえば後継者になんてならなくてすむしこんなに苦しまなくて良いのでは?
まだ幼い少年には苦しみから救われるということはとても甘い誘惑のように思えた。
苦しい生活のあまりそこまで考えていたがやはり何かが頭の中でまだ、まだ死んではいけないのだ、と頭の中で響く。
そうだ。
自分はまだ……ーー
そこまで考えてあれ?と頭を傾げる。
まだ何なのだ?と疑問に思い考えを巡らせていると辺りが真っ暗になったと思ったら誰かが自分に焦った声で呼びかける声が聞こえてきた。
『おいッ!お前大丈夫か?!』
その声は意識がはっきりしていくにつれ大きくなっていく。
「おい!」
「………ッ?…ーうぅッ」
「おい、大丈夫か?今助けてやる。しっかりしろ」
意識がゆっくり目を開けると男は安堵の息をつき、まだ完全に覚醒しきっていないキルアを見、傷の具合を確認するや否や顔をしかめると急げ!医者はまだか!!と叫ぶ。
時節キルアの方を見ると酷い出血だな。と苦しそうに顔を歪めて医者が来たのを確認すると応急措置をし易いようにその場を避けようとするがキルアによって遮られる。
「うおっ!?」
男は驚いた表情をすると自分の掴まれた服の袖を見て再度キルアに顔を向けると何か喋ろうとしているのがわかったのか、耳をキルアの口元に近づけてそれを聞き取ろうとしていた。
「…ーッ!ァ、ル……カは、……こ…?」
キルアの言おうとしていることが伝わったのか男は真剣な顔をすると、
「特徴は?」
「長…い黒髪で……袴のよ…ッな」
そこまで聞くと男は力強く頷くとキルアの頭を撫でた。
「分かった、それ以上はもう喋るな。その子の事は俺達に任せて今はもう寝ろ」
男の言葉に安心するとキルアは糸が切れたように意識を手放す。