狩人×OP
□12.助けに行きたいの
1ページ/5ページ
1
頂上戦争が始まり一日が過ぎ、朝日が登り始めた頃。
とある船ではある攻防が続いていた。
「アンタが駄目って言ったって俺は絶、対に行くからな!!」
「何回も言ってるだろ?第一君はまだ子供だ。子供をあんな所に連れて行くわけには行かない!」
「子供だから行っちゃいけないって誰が決めたんだよ!!?お前は俺の父ちゃんか!!…いやむしろうちの親父は連れて行くだろうけど」
むしろさっさと行けオーラを出すと思う。
じゃなくて今はそんな事考えてる場合ではない!
何としてもあそこに行かなきゃ行けないのだ。
「何がお前にそうさせる。お前にあの場所はまだ早い」
確かにシャンクスの言っていることは間違ってはいないかもしれない。
けどあそこには、
「あそこにはッ!!…ー仲間が、ルフィが居るんだ。仲間が戦ってんのに自分が傍観者で居られない…!!あの時形はどうあれ彼奴は俺達を助けてくれたんだ。今度は俺が彼奴の手助けになりたい」
俺はあの時友達に、ゴンに何も出来なかった。
もうあの時の何も出来ないで只見ているだけの自分にはなりたくない…!!
キルアは顔を俯かせるとなんとか絞り出すような声で
「…嫌なんだよ。何も出来ずに只見守る事しか出来なかった自分にはなりたくないんだ」
「……」
この子供の言葉はシャンクスの心に響く。
自分の人生の半分にも満たない子供が、
普通なら子供らしく遊んだり子供らしくだだをこねたりする年頃の子供の筈だ。
偶にひねくれた子供なんかもいるし、なめられないように大人のように振る舞って背伸びをしている子もときにはいる。
だがこの子とはまるで20歳位の若造を相手にしているかのような、
それこそそこら辺の奴なんかよりよっぽど頭の回転も早く、良く周りを見ている。
キルアの意思の固さに思わず肯定しそうになった。
相手はまだ子供だぞ?
もしかしたら連れて行って死ぬ可能性だってある。
それなのに自分は何処かでこの子をあの強者が大勢いるあの戦場に連れて行きたいと思っている。
もしかしたらこの子達なら何か変えてくれるのでは、と
らしくない事を考える。
ここでもし無理矢理船に置いて行った所できっとこの子の事だ。
どんな手段を使ってでも船を抜け出してあの戦場に向かうのは目を見るより明らかだ。
そこまで考えてシャンクスは膨大にため息をはきだすと、
「…ー分かった。連れて行こう」
了承をすると勢い良くバッ、と顔を上げ、
「本当か?」
「だがこれだけは約束しろ。絶対に無理はするな?」
「あぁ、分かった!サンキュオッサン」
「オ、…せめてお兄さんと読んでくれないか」
今までの経緯をハラハラと見守っていたクルーは安堵すると同時に船長のシャンクスにお兄さんは無いだろ、とツッコムが。
簡単に事が収まるわけが無く、新たな問題が出てくる。
「アルカも行く!!」
『えっ!!?』