狩人×OP

□2.釣り上げた二人は異世界人でした。
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アルカが部屋を出て行ってから30分位たった頃。




夢と現実が曖昧な中で寝起きの頭でキルアは何で自分が寝かされているのかを考えている。



確かに自分は着地に成功したし、その時は意識もしっかりしていた。
しかしその直後、後ろに物凄いスピードで引っ張られてからが霧がかかったように中々思い出せずモヤモヤしていたのだ。




今の時点で気付いた事といえば、

何故か海に落ちた時には無かった後頭部の鈍い痛みこれは、本当にキルアにも覚えがないので意識が途切れたのもコレが原因ではないかと踏んでいる。

後は自分が落ちたのが海で、落ちる時に島などがみつからなかったことか
ら、今居る所は船の中だというのがキルアの予想だったが、予想は確信に変わった。
その証拠に潮の匂いがするし、何回か波によってこの建物自体が時々揺れている。 

因みに少し離れている所で自分を起こさないように配慮しているのか、小さめの声でさっきから何やら話ているようで、まだ自分が起きている事に気付いていないらしい。

何時までも寝たふりをするわけにもいかないので、取り敢えず話かけることに決めたキルアは、即行動にうつした。 


「ねぇ、」


話をしていた二人は本当にキルアが起きている事に気付いていなかったらしく、かなり驚いた顔をしていた。





幽霊でも見たみたいな顔をされて、図太い神経の持ち主の俺だが、少なからず傷つく。



「ねぇ、お姉さん達誰?」

「え?……あぁ、私はナミ、でこっちがチョッパーって言うの宜しくキルア君。」


キルアは彼女が自分の名前を知っているの事に疑問をもった。
彼女と自分は初対面のはずだし、キルアだって馬鹿ではないし、今はもう止めているが元暗殺者。
誰かれ構わず自分の名前を教える事は絶対しない。
キルアの言いたい事に気付いたのか、「あぁ、違うの」と言っているが何が違うのだろうか。


「君の妹のアルカちゃんから教えてもらったの。」

「アルカが……?」


彼女の口から予想外の名前に驚いたキルアだったが、アルカが居ない事に今更ながらに気が付いた。


キルア一生の不覚。


すると、ナミと話ていたチョッパーが今思い出した、といった感じでナミに話かけた。


「起きたみたいだし、オレ知らせてくるよ。」

「お願い、チョッパー。」


ナミの言葉に頷くとチョッパーは部屋を出て行ったのを見送るとキルアに向き直った。


「今チョッパーが呼びに行ってるからちょっと待っててね。」


そう言うと彼女ーーナミはにっこりとキルアに笑いかける。

多分話の流れ的にアルカを呼びに行ったのだと理解した。
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