狩人×OP
□4.言えない秘密
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「アルカの能力についてはチョッパーは実際に見たようだけど…」
そう言ってチョッパーの方を向くと。
それにチョッパーが頷く。
「あ、あぁ。確かに見たけどアレは一体何なんだ?攻撃した様には見えなかったぞ。」
「それはアルカの中にはもう一つの人格が存在するんだ。俺はその人格をナニカって呼んでる。ナニカの能力が【おねだり】と【おねがい】の二つで構成されていて【おねだり】を三回叶えると一つだけ何でも【おねがい】を叶えてくれる。」
「そんなのって有り得んのか?」
信じられないといったようなサンジの質問にキルアは「ナニカならそれが可能なんだよ。」と答える。
「その代わり【おねがい】のレベルが高ければ高いほど次に【おねだり】される人のレベルがあがる。そして、それを四回以上断るとその人とその人の最愛の人の最低二人が死ぬ。それ以降はその人と長時間接していた奴から順に死ぬ事になるんだ。」
「おいおい、そりゃヤバくねぇか?」
ウソップは汗を垂らしながらアルカを見るが、本人は難しい話に飽きたのかルフィと一緒に何やら遊んでいた。
その姿からは先程人だったモノをあんなにした人物とは一体誰が信じるだろうか。
否信じられないだろう。
するとチョッパーがキルアの話
に要約納得したようた。
「そうか!だからさっきの男はその条件を満たせなかったから死んだんだな。」
「まぁ、そういうことだね。」
「そういうことだね。ってお前俺達は大丈夫なのか?それにどうやって解るんだよアルカかナニカか何て。」
青ざめた顔でウソップがキルアに不安をぶつける。
「アルカは俺の事を【お兄ちゃん】と呼ぶけどナニカは【キルア】と呼ぶ。」
「確かにアルカとナニカは危険だし、ナニカの【おねだり】の能力を呪われてるって言う奴もいる………けど本当に呪われるてのは【おねがい】の方だ。誰かがレベルの高い【おねがい】をするから次の【おねだり】のレベルが高くなる。だから俺はもう二度と誰の【おねがい】もアルカには聞いてほしくない……。」
キルアの悲痛な願いは一味の心を締め付ける。
まだ子供なのだ。
なのにこんなにもしっかりしていて。
年なんて自分達より一回りも下な筈であろうという子供が。
最初は何て子供らしくないのだろうか…と思っていた。
だが、彼はそうならなくてはいけない。いや、ならざるをえない環境下だったのがキルアを見て思った。
彼は本当はとても優しい子なのだろう。一体何がこのまだ小さな子供を此処までさせたのだろうか。
キルアが話の続きを再開する。
「こういう能力だからバレたら欲しがる奴なんか五万といる。俺がアンタ達にこの事を話したのは絶対にアンタ達は他の人には話さない、そう思ったから話した。」
「それはちょっと買いかぶりやしねぇか?もしかしたら話すかもしんねぇーぞ。」
キルアはサンジから一時も目を離さず、もう一度「アンタ達は絶対話さないよ。」とどこか確信した面持ちで言う。
すると、横からそれを遮るようにゾロがキルアに自分の感じた事を聞く。
「俺も一つ気になってたことがあんだが。」
「何?」
サンジから視線を外すとそちらの方を向く。
「叫び声が聞こえてきてルフィ達が駆けつける前にお前は居たが、声を掛けられるまで俺は全然全くもって気づかなかった。」
「普段は誰が居たって大抵は気付くがお前は感じなかった。只の子供がそこまで出来る訳ねぇ。」
彼の言うことももっともだ、ゾロが言おうとしてることが分かったのか、一拍置いて意を決したように口を開く。