狩人×OP
□5.迷子と誘拐
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皆で甲板でだべっていると、ルフィが声をあげた。
『お?』
「どうした。アルカ、ルフィ」
キルアが声を掛けると、どうしたどうした?と皆ルフィとアルカの方を向き、その視線を辿る。
「あ?」
「わっ綺麗」
「何だアレ」
「何か飛んでるな」
「何とまぁー!!」
「泡?」
「幻想的」
「すっげえ…ー」
それぞれ感想を漏らし、チョッパーとアルカは『おー!!』と目をキラッキラッさせている。
「あれがシャボンディ諸島だ!!!」
「…シャ…シャボン玉か!!?」
「シャボン玉ぁー!」
島というより木に町があるといった感じだ。
「あれ一体どうなってんの…?」
誰が飛ばしてんだ?などと変なん事を言い出すルフィに呆れた顔をするキルア。
キルアの質問にそれは、とケイミーが答える。
「島から発生してるの」
「島から?」
「うん」
島から出ているらしいあのシャボン玉は今も至る所でウヨウヨ浮かんでいて、これが島から出てるのか……ーとまた見上げる。
ハチが島と言うよりは木の上にここの住人は町を造っているらしく、木の一本一本に町や施設が有るらしい。
それで、
「79の島から成る【シャボンディ諸島】と呼ぶ」
はぁー…それで新世界?とかいう所に行くためにここに航海者達が集う島というわけらしい。
奥の方に船を着けようと言うハチの意見に従い木の近くに船を着け上を見上げると、遠くからでもかなりのデカさだったが、近くで見ると思った以上に木がデカくうおっ、と少し圧された。
ルフィ達曰わくここの世界では有り得ない事が起こるのは結構当たり前らしく、世の中不思議なこといっぱいだなぁー…と久し振りにワクワクしているのが自分でも分かった。
アルカがちゃんと隣に居るのを確認し、そのまた隣であめ玉みてぇ!!!と騒ぐルフィ。
アルカと凄い島だな、と話ていたらハチに41番GLだからこの番号を忘れるなよ!!と忠告する。
その後の迷子と言う言葉にウソップ、チョッパー、キルアが反応し、ある人物のほうをじとっ、とみる。
「それでも迷う奴いるよな」
『いる』
「ゾロは迷子なの?」
「そうだぞアルカ、方向音痴には成らないようにしないとな?」
ゾロの事を指差してキルアを見上げて聞くアルカに子供に言い聞かせるように頭を撫でる。
「見んなこっちを!!つかキルアテメェ失礼だぞ、アルカ俺を見て指差すんじゃねぇ!!」
「大の大人が子供に八つ当たりは良くないよ」
「子供らしくない子供が言う台詞か」
「事実だし」
さも心外だというキルアにゾロが怒るがどっちもどっちだろとツッコミたかったが一部を除くが皆そんな風に思ったことは口には出さず心にしまう。
ルフィが目の前に出てきたシャボン玉に乗って遊んでいる隣でロビンがベタベタする、とウソップになすりつけ、それをウソップがつけんな!!と講義している。
暫くシャボン玉でルフィと遊んでいるとハチが真剣な顔で
一つだけ約束を守って欲しいんだ、と言うハチに皆ハチに注目する。
「……」
「おう何だ?」
皆が話を聞いているのを確認すると話始めた。
「町に入ると「世界貴族」が歩いてることがある」
「誰だそれ」
ルフィが只知らないだけなのか、それとも一般的に知らされていないのか……多分前者だろう。
キルアもそいつ等が誰なのわからないので、隣に居るロビンに聞く
「誰なの、「世界貴族」って」
「聖地マリージョアの住人達よ」
ロビンの説明に興味が有るのか無いのか返事は適当だ。
キルアもそれを端で聞きながら再度ハチの話に集中する。
だが彼の口から出て来た言葉は少なからずキルアを含め一味に衝撃を与えた。
「たとえ町でどんな事が起きようとも「世界貴族」にゃたてつかねぇと約束しろ!!!」
「たとえ目の前で人が殺されたとしても見て見ぬフリをするんだ!!!」
『!!?』
「………」
その言葉に一味は驚き、キルアは無言でハチを見ていて、アルカは未だにシャボン玉で遊んでいた。
これがどういう意味なのかはこの後知ることになる。