狩人×OP

□5.迷子と誘拐
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キルアとアルカはゾロと一緒に24番GLに来ていた。







「何か前騒がしくない?」


飴を舐めながら前を見据えるキルアとアルカ。




「そうか?普通だろ」


とこれまた酒を飲みながら受け答えをするゾロ。






喧騒の現況の所まで歩いて三人は歩いていくと、沢山の人が道の端に避けていたり、建物と建物の間に隠れて様子を伺っている者もいれば、家に隠れている者もいた。

これにキルアは不思議に思ったが、前に立っている人物を皆避けているのだと理解し、ゾロにそのことを言おうとして止める。









何故なら既にもう手遅れだったのだ。


「(あーぁ、俺知らねー)」


相手はかなり動揺しているようで言葉にすらなっていない声を発する。




「……んな!!!………」

「……?何だよ。道でも聞きてぇのか?」


固まったまま動かない相手に道でも聞こうとしているとしていると勘違いしたらい。




いや、普通に考えてそれはないから……ー馬鹿だろアンタ…いや馬鹿だったな。

こっちは見て状況を理解出来ないアンタの頭に聞きてぇよ。
……というのは心にしまっておく。


何かしでかしそうな雰囲気だったので、アルカを自分の後ろに隠して絶でなるべく気配を消す。





するとゾロの前にいた如何にも弱そうなオッサンが銃をゾロにむけ、打った。


当然といっちゃ当然だが、それを避け切りかかろうとしたゾロに対し周りがざわついた。

やはり、あの一味の中で2番目位に強いだけあって動きも速いなどと呑気に観察していた。





しかし、周りの息を呑むような緊張した空気に、何だ何だ?と思っていたらゾロの横から突然ガキが飛びだしてきて道の端まで一緒に吹っ飛んでいった。


「えーん。お兄ちゃーんどうして死んじゃったの!?」と明らかに偽造であろう赤い液体を顔に掛けられ、演技だろう泣き真似に打った本人は疑問に思うも、
まぁ良いかとアッサリ帰って行った。

ゾロも大概馬鹿たが、彼方はその上を行く程の馬鹿だったようだ。

相手が去って行くのを確認すると、ゾロが吹っ飛ばされたところに足を動かす。

先程ゾロをぶっ飛ばした女性が何か喚いている。






……女性?
イヤ確かにさっきはガキだった筈。
キルアの困惑などつゆ知らず、目の前の女性はもう少しでゾロの胸蔵を掴みそうな勢いだ。




「この島に「大将」呼び寄せる気か!!?海賊なら海賊同士の暗黙の了解って部分があんだろ!!?ウチらにまで迷惑かけんな!!」


怒鳴られている本人は良く理解出来ていないようで、顔についた物の正体に気づき場違いな事を呟いている。

アルカがゾロの所に近寄り屈んでゾロに話掛ける。


「ゾロ大丈夫ぅ?」

「トマトジュースまみれだな」


アルカに大丈夫だと伝えると、そんなゾロを見て面白そうにニヤニヤするキルアに視線を向け、うるせぇ…と文句を言う。


「それよりさ、この人早く病院に連れてかないとヤバいんじゃない?」


キルアがそう言うと、確かに…と思案するとゾロは撃たれた男を担いで病院の場所を聞くと歩きだす。

それについて行くようにキルアとアルカもあとを追う。








「あの人助かって良かったね」

「あぁ…」



銃で撃たれた男は何とか一命をとりとめたらしく、

さて海に戻るか、とさっきからずっと静かなアルカを不思議に思いつつ振り返るとそこにはアルカは居らず、有るのはアルカにあげた飴玉が数個床に落ちているだけだった。








「!?…ーアルカ!!?」


普段冷静なキルアの慌てようにゾロも振り返り、どうした?と呼びかける。










「………アルカがさらわれたっ!」

「!?…何だと?」



キルアは嫌な汗が背中を伝うのを感じ、表しようもない嫌な予感がし、先程までアルカが居た場所を只見つめることしか出来ずにいた。



兎に角この事を報告するために一旦船に戻ることにし、その場を後にした。
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