狩人×OP
□7.追う者と逃げる者
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此方オークション会場にてーー
ピッピッピッピッピッ
オークション会場では、今現在レイリーにより爆弾のスイッチが作動していた。
作動してしまった爆弾にここにいる誰もが緊張したメン持ちでその様子を伺う者もいればもう終わりだー!!と叫ぶ者が数名。
「やべぇーよ!!!?爆発しちまう」
「そうだよじいさん無理すんな!!?」
ケイミーにつけられたら枷を外している途中で爆弾のスイッチが入ってしまい麦わらの一味とハチ、パッパグはいつ爆発してしまうのか気が気でない。
息を呑み皆緊張したメン持ちで見守る中未だに音が鳴り続けている。
ピッピッピッピッピッ
誰もがもう駄目だ!!!と思った瞬間。
ドカァーーーンッッ!!!
遂に爆弾してしまった。と誰もが絶望の色を浮かべて恐る恐る目を開けると爆発したのはケイミーとレイリーが居た所ではなく、レイリーが出て来た所の方で爆発は起こっていた。
この場に居た全員はたった今起きた事に唖然としている。
一人キルアを除いては。
キルアは先程のことで驚いて固まっている皆を気にしていないというように普通に話かける。
「おじさん」
「何だねキルア君」
「?……俺名前なんか教えたっけ」
キルアの怪訝な目にレイリーはあっけらかんとアルカ君に教えてもらったんだと正直に話す。
キルアは困った顔をするがそれも一瞬でふうーんと頷くと腕の中で眠っているアルカをレイリーに渡す。
意味がよく解らないのか、レイリーは?を頭にうかべる。
「俺ちょっと用事が出来たんだよね。けどアルカ抱えたままだとアルカが危ないかもしれないからさ、あんたに少しの間預けようと思って」
「それは構わないが、こんな年寄りに頼んで大丈夫なのかい?」
にこにこ笑うレイリーに呆れたように溜め息をはき、よく言うよ…と言うと。
「……自分のこと年寄りとか言うけどあんためちゃくちゃ強いじゃん。あんたに預けてる間は安全でしよ?」
ニヤリとキルア笑うとアルカを預けるとそのままどっかに消えて行った。
彼は多分大方このオークションの大元でも探しに行ったのだろう。
「妹思いの良いお兄さんじゃないか」
自分の腕の中ですやすやと眠っている少女を見て、前を向くと今はもうこの場には居ないまだ幼い少年の消えていった方を見つめる。
「あの子を見るとお前を思い出すな……」
今はもうこの世界には居ないがお前は元気にしているだろうか。
お前のことだから相変わらず周りを掻き回しているんだろう。
その様子が簡単に想像出来てしまい、ついつい口が緩むのを抑えられない。
「さて……この子は安全な所につれて行かないとね」
再度腕の中で眠るアルカをみたレイリーはあることに気が付いた。
さっきまでは確かに有ったはずの枷がいつの間にか無くなっていた。
カチャッ
「……ん?」
足元から音がし下を見下ろすと、そこには壊された枷が転がっており、一部分が焦げていて先程までアルカの首についていた枷だった。
いつの間にとったのやら、
「あの歳でこれだけの実力なら後数年すれば凄い能力者になるだろうね………」
それは彼の技術と頭の回転の速さというのもあるが天賦の才能のお陰でもあるだろう。
「彼の将来が楽しみだね……念能力者っていうのは面白い奴が居て本当に飽きないな……!」