狩人×OP
□8.行きはよいよい帰りは
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キルアが出て行ってからルフィ達麦わらの一味はずっとここに居るわけにも行かないのでぼったくりバーを出る事になったのでその事をキルアに知らせる為に電伝虫でキルアに電話する。
電話を鳴らしても中々出ない。
ぷるぷるぷるー…
「おかしいわね…」
「どうかしたの?」
隣に居たロビンが電伝虫を困ったように見るナミに気づき声をかける。
「それが何回掛けてもキルアに繋がらないのよ。番号はこれで合ってる筈なんだけど…」
確かにキルアなら直ぐに出そうなものだが。
そんな二人の異変に気付いた仲間が何だ何だ?とわらわら寄って来た。
「どうした、キルアに移動すること伝えたのか?」
フランキーが二人に聞くと、
「それが何回掛けても出ないのよ……何かあったのかしら」
「只単に気付いてねぇーだけじゃねぇーのか?」
心配し過ぎだろ、と言うゾロに、
「そんなんだけどキルアに限ってそれはないような気がする」
「確かに彼そういうところちゃんとしてるものね」
「じゃぁトイレじゃねぇーか?」
「あ、それ有り得ますね、ヨホホホホホ!」
「何?キルアトイレなのか?」
にししっと笑うルフィにアンタ等じゃないんだからと、半ば呆れた顔をするナミ。
しかし、今もなおかけ続けてるが出ない。
ぷるぷるぷるぷるー……
中々出ないキルアに本当に何かあったのではないかと心配していると手元の電伝虫が鳴りだしたので慌てて出る。
ガチャッ
『…わりぃ、ちょっと今隠れてる最中だから……何かあったの?』
何で出なかったのよ!!と文句が出そうになったが、キルアの小声で話す話し方に必然文句も言えなくなった。
「何かあったの?はこっちの台詞よ」
『いや、今ちょっと追われててさ』
「えっ!!?」
驚かずにはいられるず、声も必然と大きくなってしまった。
電伝虫があわあわしだして大きい声出すなッ!!とこちらは小声でナミを咎める。
ハッとすると、ナミは申し訳ないと謝ると。
「!ごめんなさい、今追われるんだったわね」
そんな二人の心境などつゆ知らず普段と同じ位の声量で電伝虫に話し掛ける。
「何だオメェ、今追われてんのか?今どこ何だー?」
大きい声で喋るなって今さっき注意があったばかりだろ!!とウソップに叩かれるのを尻目にナミは本来の用件を済ませる為に話を切り出す。
「そっちは大丈夫?」
『今んとこは見つかってない』
「じゃぁ用件だけ済ませるわね。今私達バーを出るんだけど3日にコーティングが終わるみたいで、3日後バーに集合する事になったわ」
『分かった』
用件を聞き終わると短く了解の意を示し電話をきった。
それを隣で静かに様子を窺っていたロビンが安心したのか笑顔でナミに声をかける。
「彼も上手く隠れてるみたいね」
「えぇ、私達も急ぎましょ!」
「わっかりましたー!!ナミさん!!!」
「お、おれ緊張してきたぞ…」
「確かに今この島には海軍大将が居るからなー…」
「えーもう行くのか?じゃぁ遊園地いかねぇか…」
こんな状況でも遊ぶことを考えている我が船長にクルーは『黙ってろテメェ!!!』と口を揃えて怒られていた。
チョッパーとブルックもルフィの意見に賛同する。
もし彼がここにいたら今そんな場合じゃないんじゃない?と冷静にツッコムのだろうが、残念ながら彼は今この場に居ない。
「今ここには大将が、いんだから無理だろ」
アルカを担いだゾロの冷静なツッコミを入れる。
レイリー達の見送りをされた一味はバーを離れ、移動した。
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今は何とかまいたがバレるのも時間の問題。
そしてキルアはイルミにばったり会ってしまった後、逃げる時にイルミの攻撃をギリギリ避けたが左横腹に怪我を負わされていた。
一応絶を使って気配は消しているがそんなのは殆ど通用しないと考えた方がいい。
怪我した横腹を抑えながらドクドクと早い心臓に相手に聞かれないだろうか、と心配だった。
まいたのかまいてないのか分からないが、今ここを動くのは危険だ。
気を張って周囲を見回していると、背後に気配がしバッと振り返る。
「こんなとこ居たんだキル、気配消すのあの時より上手くなったゆじゃない?」
「ッ!!?」
思った通りそこには兄、イルミの姿があった。
やはり一筋縄では行かないらしい。
「………」
「逃げても無駄だよ、俺にはバレバレ」
兄貴の言うことも一理ある。
だが、こちらとしてもこんな所で捕まるわけには行かないのだ。
「あぁーあ…また行っちゃった」
ま、また直ぐ見つけるけどね。
イルミはキルアが去って行った方角に向かって歩を進める。