狩人×OP

□8.行きはよいよい帰りは
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イルミが後ろからついて来るのを背後に感じながらも兎に角前へ進む。

すると左の方角から誰かを必死に呼んでいる声が聞こえた。





『…ロッーーーーー!!!!』


ここからじゃ聞こえにくいな、と思っていると気配が自分の直ぐ右からしたが既に遅く、気づいた時には左に思いっきり蹴飛ばされていた。

咄嗟に受け身をとったが完全にはとれずに声のした方に飛ばされる
はめになる。














誰もがもう駄目だと思ったその時だった。


黄猿に向かって何かが勢い良く飛んできたと思ったら、黄猿をそのまま吹き飛ばしてしまう。

その場に居た誰もが唖然とする中吹き飛ばした本人はゾロの近くで転がっていた。






その物体でモゾリと動き、うぅ…と呻く。





『!!?』





その物体はルフィ達が数分前に別れた人物で、飛んできた方を睨み付けている。


見覚えの有りすぎる人物に思わずその人物の名前を呼ぶ。





「キルアッ!!!」


自分が呼ばれた事に気づいたのか、こっちに視線を移す。


「アンタ達何でここに……」

「それはこっちの台詞だ!!」

「それより助かったわ、キルア」


お礼を言われたキルアの方は良く分かっていないようで、首を傾げていたが自分の側で横たわっているゾロに見て納得する。


「いや、俺が飛ばされたとこに偶々いただけだし…」


偶々とはいえ、助かったのは事実なので素直に礼を言う彼等に少し気恥ずかしそうに別に、とそっぽを向く。



どうやら彼は素直に礼を言われることに余り慣れていないようだ。

そんな彼に少し場が和むが敵が目の前に居るのには変わりないので直ぐに気を引き締める。



キルアがゾロを担いでルフィ達の所に近づきゾロを横たえる。

アルカはサンジがかるっていて、まだ目が覚めていない。




ふとキルアの動きにチョッパーが違和感を覚える。



「キルアどこか怪我してんのか?」

「え?」


キルアの違和感にチョッパーが疑問に思い聞くと、本人はとても驚いたように目を丸くする。


「何!!?オメェ怪我してんのか!?」

「……大したことないよちょっと蹴られただけだよ」


バレないようにしていたが流石は医者といったとこだろうか。

キルアの動きに違和感を感じたんだろう。



すると、キルアから見て左側からガサッと音がする。

そちらに目をやると、先程キルアがぶっ飛ばしてしまったらしい男が歩いてきた。

らしいというのはキルア自身も良く分かっていないため、なんともいえない。



「大丈夫か?黄猿のオジキ」


心配しているのか微妙な戦桃丸に大丈夫だと返事を返す。


「まぁ〜何とかね……それよりまさか飛ばされるとは思わなかったよ」




自然系を吹っ飛ばすなんて覇気使いじゃないと無理だ。


だがみた限り子供。


覇気の使い手には全く見えない、じゃぁこの子供は一体……。






「どっちにしろ今殺して置かないと後が面倒だねぇ……」



スッと手をキルアに向けて攻撃しようとしたが手を下ろし、素早く顔を後ろに下げる。









顔のギリギリを何かが掠める。


横目でそれを確認すると針が何本かの木を破壊して岩に刺さっており、その岩も亀裂が何本もはいっていた。








「キルに手、出したら殺すよ……?」

「何処に行ってたイルミ…!!」



戦桃丸が噛みつく。



しかし、本人はそれを無視してじっ、と黄猿から視線を外さない。


「おぉ〜!怖いねぇ…てことはこの子供が君の探してた子かい?」

「そうだよ。キルにはこんな所で死なれたら困るんどよね」



二人で淡々と会話を始めるのを見ながらルフィ達がキルアに尋ねる。






「キルア彼奴お前の知り合いか?」

「そうだろ、じゃなきゃ名前なんて知らないだろ普通」

「でも、おっかない雰囲気でこえーぞ」


ルフィの質問にウソップがビビりながらもツッコムことは忘れない。

どう見ても皆イルミの威圧的な雰囲気に皆圧倒されている。

キルアは傷口を抑えながら口を開く。







「彼奴は………イルミは俺の兄貴だよ」


『……………………』


アニキ……、兄貴ってあの兄貴か?!!って



『お兄さんッ!!!?』

「声デカいよ……」



兄貴って似てなさ過ぎだろ……
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