狩人×OP

□8.行きはよいよい帰りは
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「にしても似てねぇーなあんまし。どっちかというとアルカ似だな」


フランキーの言葉に皆うんうんと首を縦に何度も頷く。


はっきり言いすぎじゃない?……と思いつつも兄貴と似てると言われても嬉しくはない。

アルカに似ていると言われたときは喜びの余り顔がにやける自信はある。





「兄貴はお袋似なんだ」

「だからか。つぅーことはお前は親父さん似か」


そう聞くと余り嬉しくないのか、そうだけど……。と嫌そうなというより明らかに嫌な顔をする。


「まぁ……」

「それよりお前何で吹っ飛れたんだ?」


最もなサンジの言葉に皆先程飛ばされてきたキルアを思い出してそうだったとキルアに一斉に視線がいく。

キルアから一瞬表情が消えたように見えたのは気のせいではないだろう。









「兄貴だよ」

『ッ!!!?』


キルアが言った意味が理解出来ず聞き返しそうになったが彼のその目が真実なのだと物語っている。


「兄貴って、お前等兄弟なんだろ?!」

「そうよ、お兄さんがなんで弟を……」


有り得ないと一味はイルミを見るが見られている張本人は気にせず黄猿に対して何やら不穏な雰囲気を醸し出している。

黄猿は余り気にしていないみたいだ。


「ほら、俺んとこ普通じゃないしさっき位のはまだましだよ」

「あれが大したことないって普段何してんだ……」




それに兄貴はもしかしたらまだアルカを殺そうともくろんでいる可能性だって考えられるし、あわよくばここにおいて帰ろうかとでも思っていそうだ。

それだったら別に自分が殺さなくてもこっちの世界の人間が勝手になんとかしてくれるだろうしとでも考えているかもしれない。





まぁ、そんなことはキルア自身が許さないが。


「今のうちに逃げた方が良い、大将はどうか分からないけど兄貴は別格だ。悔しいけど兄貴はかなり強い」

「……まさに絶体絶命のピンチって奴ね」


ナミの不安な様子にキルアはイルミに視線をやる。




確かに自分ではまだ勝てる可能性が低いが、あの時イルミを家に飛ばした時にはもう既にキルアは決心していた。


「俺はあの時からもう戦う覚悟はできてる」

「覚悟ってそんな」

「いくらなんでも兄弟同士で戦わなくても……」

「俺はアルカの兄ちゃんだ。それに俺はアルカを生涯をかけて一生守るって約束した。だから俺はどんなに相手が強くても戦う」



これ以上はもう話さない。と誰の声も聞こうとはせず、彼等の前に立ち兄と真っ正面から対峙する。

戦う気漫々の弟にはぁ…、と溜め息を吐く。




「俺的には争わずお前を連れて帰る事を望んでるんたけどな。あ、勿論アルカもね」

「アルカをもうあの部屋に帰すわけにはいかないし何回でもいうよ……俺もアルカも、もう二度とあそこへは帰らない!!」



断固としてそれだけは譲れないとイルミを睨みつける。  

キルアはこうみえて意外に頑固な所があってこういうときは頑として言うことを聞かない事を良く理解しているイルミは交渉決裂したことに平穏に事を済ませることを諦め強硬手段に予定を変更する。
 

「……無理矢理にでも連れて帰るしかないね、殺しはしないから安心しなよ」



成長した所見せてくれよ?とイルミがキルアに向かって足を進める。


それを合図に黄猿と戦桃丸も動き出す。





「兄弟喧嘩に巻き込まれないように注意しないとねぇ〜?」

「迷惑な兄弟だな本当に」


そん邪険にしなさんな、と戦桃丸を宥めるとさて、とルフィ達麦わらの一味を見据える。


「あっしらはこっちをさっさと片付けるかね。じゃないと上が煩いんでねぇ…」



一瞬にしてイルミと海軍を除くメンバーの間に緊張が走る。
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