フォルカスの雑学

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【アガレス (あがれす)】
ソロモン72柱のうちの1柱

アグレアス(Agreas)とも呼ばれる。 クロコダイルに乗った青褪めた老人が手にオオタカをとまらせた姿で現れるとされる。堕天前は力天使の階級に属していた。

逃亡者を戻ってこさせる能力や、地震を起こす能力をもつとされる。また、あらゆる言語を教えることができる。現世的なものおよび超自然的なもの両方の尊厳を破壊する力も持つ。

『ゴエティア』によるとソロモン72柱の魔神の一柱で、31の軍団を指揮する序列2番の大公爵。『悪魔の偽王国』でも2番目に紹介されている。地獄の東方の勢力に属するという。

『大奥義書』によれば、ルキフゲ・ロフォカレの支配下にあるという。

かつてはナイル川流域の農耕神にして時の神であり、その起源は七星の土星を司る神だったとする説がある。

【アモン (あもん)】
悪魔学における悪魔の一柱。『ゴエティア』によるとソロモン72柱の魔神の一柱で、デーモンの40個軍団を配下に置く序列7番の大いなる侯爵。『大奥義書』によるとサタナキアの配下にあるという。悪魔の君主の中で最も強靭であるとされる。口元から炎を吐き出しヘビの尾を持つ狼の姿で現れるが、魔術師が人間の姿を取ることを命じると、口元から犬の牙を覗かせたワタリガラスまたはゴイサギの頭を持つ男性の姿を採るという。コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』の挿絵ではフクロウの頭と狼の胴と前足、蛇の尾を持つ姿が描かれている。ルシファーが神に反旗を翻した際に義勇軍を率いて駆けつけたとされる。過去、未来の知識を教え、詩にも優れている。この詩は『旧約聖書』の『詩偏』に収録されている。 エジプト神話に登場する神のごとく獣の頭部を持つこととエジプトの最高神アムンとの名前の類似から、アムンが悪魔として解釈された存在とされる。『地獄の辞典』においても、アムンと同一視されている。七つの大罪の一つ「強欲」を司る悪魔マンモンや『ゴエティア』や『ホノリウスの書』などに登場する四方の王の一人アマイモンと同一視されることもある。しかし、エジプト起源と考えられるアモンに対し、マモンはシリア語で「富」を意味する単語であり、また、アマイモンの名前はギリシア語の「熱望する」を意味する単語に由来するとされている。

【ウァサゴ (うぁさご)】
『ゴエティア』によるとソロモン72柱の魔神の1柱で26の軍勢を率いる序列3番の地獄の君主。

召喚者の前に現れる時の姿は不明であるが、その性質はアガレスと同一とされる。過去・現在・未来の出来事に関して詳しく、隠されたものを発見すると言われている。

【ウァレフォル (うぁれふぉる)】
またはヴァラファール (Valafar)、ヴァレファール (Valefar)、マラファル (Malaphar)、マレファル(Malephar )とも呼ばれる。

召喚者の前に、人間またはロバの頭を持ったライオンの姿で現れるという。コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』では、天使の姿もしくはライオンの頭、ガチョウの脚、ウサギの尻尾をもった姿で現れるとされる。盗賊と関連の深い悪魔とされており、人々を盗みに働くように誘惑したり、泥棒と和解させることができるという。

『ゴエティア』によると、ソロモン72柱の魔神の1柱で、10の軍団を率いる序列6番の地獄の公爵。

『大奥義書』によると、サルガタナスの支配下にあるという。

【ガミジン (がみじん)】
サミジナ(Samigina)とも呼ばれる。『ゴエティア』によるとソロモン72柱の魔神の1柱で、序列4番の地獄の大侯爵。30の悪魔の軍団を率いるという。

召喚されると、小さなウマもしくはロバの姿で現れる。人間の姿を取ると、しわがれた声で話す。諸学問に関する知識を与え、罪に死した者の魂を呼び寄せる力を持つ。召喚者の質問に明瞭に答えようとし、また、召喚者の望みを叶えるまでその元に留まるとも言われている。

【ソロモン72柱 (そろもんななじゅうふたはしら)】
悪魔学によるとイスラエル王国の第三代の王であるソロモン王が封じたとされる72人の悪魔のこと。ソロモンの霊 (Spirits of Solomon)フレッド・ゲティングズ 『悪魔の事典』 大瀧啓裕訳、青土社、1992年、220頁。、ソロモンの七十二人の悪魔南條竹則 『悪魔学入門』 講談社、2010年、155頁。とも呼ばれる特殊な事例としては、魔物を天魔、地魔、人魔に分類するなど独自性が際立つ江口之隆著『西洋魔物図鑑』(翔泳社、1996年)では天魔72将と呼ばれている。おのおのが地獄における爵位(悪魔の階級)を持ち、大規模な軍団を率いるとされる。

【バアル (ばある)】
ソロモン72柱のうちの1柱

カナン地域を中心に各所で崇められた嵐と慈雨の神。その名はセム語で「主」を意味する。バール、ベールの表記も。

もともとはハッドゥ(hd [haddu])またはハダド(hdd [hadad])という名で、アッカドの雷神アダドの前身でもある。この名は恐らく雷鳴の擬音と考えられる。しかしハッドゥが主神、すなわちバアルと呼ばれ崇められているうちに、その呼称が固有名詞化し、後にはもっぱらバアルと呼ばれるようになった。

本来、カナン人の高位の神だったが、その信仰は周辺に広まり、旧約聖書の列王記下などにもその名がある。また、エジプト神話にも取り入れられ同じ嵐の神のセトと同一視された。フェニキアやその植民地カルタゴの最高神バアル・ハンモンをモロクと結びつける説もある。さらにギリシアでもバアル(Βάαλ)の名で崇められた。足を前後に開き右手を挙げている独特のポーズで表されることが多い。

【バルバトス (ばるばとす)】
『ゴエティア』によるとソロモン72柱の魔神の1柱で、30の軍団を率いる序列8番の公爵。『悪魔の偽王国』によれば伯爵にして公爵である。

『大奥義書』によれば、サタナキアの支配下にあるという。『ミュンヘン降霊術手引書』においては、バルバルス(Barbarus)という名前で紹介されており、36の軍団を率いる伯爵にして公爵であるという。

トランペットを持った四人の王を従えて、灰色のマントと深紅の房がついた緑の帽子を纏った狩人の姿で現れるとされる。太陽が人馬宮にあるときに、四人の高貴な王と彼らが率いる軍隊を伴って現れるともいう。人間に化ける際は鉄兜を被ったり、弓矢を持つ鷲頭の男性の姿をとるとされる。また、ロビン・フッドの化身ともされる。

もとは力天使とも主天使ともいわれる。魔術師の財宝の隠し場所を知っていたり、動物の言葉を理解することが出来るなどの能力を有する。また、過去と未来をよく知り、友情を回復する力を持つともいう。

【マルバス (まるばす)】
マルバス(Marbas)は、悪魔学における悪魔の一人。バルバス(Barbas)とも呼ばれる。

『ゴエティア』によるとソロモン72柱の魔神の1柱で、序列5番の地獄の大総裁。36の悪魔の軍団を率いるという。

『大奥義書』によれば、ルキフゲ・ロフォカレの支配下にあるという。

レジナルド・スコットの『妖術の開示』1655年版に記載されている、パイモン、バティン、バルマを呼び出し、その恩恵を受ける方法の中では、パイモンがマルバスの下位にある存在であると説明されている。

召喚されると、強壮なライオンの姿で現れる。召喚者が命じれば、人間の姿を取る。隠されたものや秘密に関する質問に真摯に答えてくれる。また、疫病をもたらす力とそれを治す力を持ち、工芸に関する優れた知識も有しているとされる。人の姿を変化させることもできるという。

シェイクスピアの『ウィンザーの陽気な女房たち』などの作品に登場するバルバスン(Barbason)は、マルバスのことだと考えられている



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