Du bist mein Licht
□Prologue
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──もう、痛みも無い。
立っている感覚すら、無い。
何も感じない。
見えるのは、真っ赤に染まった自分と
まるで戦争が起こったかのように廃れた、
自分の故郷、「だった」場所。
自分はあまりにも無力で。
人間というものは、あまりにも脆くて。
──…愚かで
下等な生物。
故郷が滅んでいく様を
眺めていることしかしなかった。
いや、私は
どこがで望んでいたのかもしれない。
───こうなることを───……
自分自身と
故郷を滅ぼしたかった。
滅ぼされることを
望んでいた。
こんな自分と
こんな居たってなんの意味もない、ちっぽけでつまらない故郷なんか
滅んでしまえばいいと思っていた。