Du bist mein Licht

□sieben
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「……ん…?」

いつもと異なる感覚に違和感を覚えて、零は目を瞬かせた。
ぼんやりとする思考を巡らせて、自らの現在の状況を確認しようと身体を捩る。

ここは、私室だ。メフィストの館の中にあるいつもと変わらない場所。でもこの感じる重みと違和感はなんだろうか?
それに、視界いっぱいに広がる白と、この、嗅ぎ慣れてしまった匂いは。

「…メフィ、スト?」

恐らくメフィストに抱き締められているのだろう。近くから規則正しい寝息が聞こえてくる。
珍しい、とそう思った。メフィストは多忙だ。多忙故にこんな風に寝たりすることなど貴重だからだ。

「………」

自分は昨日、どうしたのだったか。思い出そうと頭を捻ってみる。

「…い、っ……」

ズキリ、と頭が痛んだ。
思い出せない?いや、思い出したく、ないのだろうか。
メフィストが起きたら聞いてみよう。

…と、そこまで考えて、ふと冷静になる。

「…………」

なんで、メフィストが、自分を抱き締めている?

先程までぼんやりとしていた思考が急に鮮明さを取り戻した。
しかも何故自分はこれを受け入れて、抱き締め返しているのだろうか?

「……チッ」

スパァンッ!!と零のビンタが炸裂した。

「い"っ!!!!たぁ!?」


……メフィストの、脳天へと。




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